第6話

六話



「はぁ……」

私は休憩用の施設に行き部屋を借り備え付けのベッドを腰を下ろす

「大丈夫かな……」

私は腕や足を見る

所々ではあるが皮膚が変色している

そして心当たりもある

あの怪物の電撃だ


「はぁ……」

私はベッドに倒れ込み目を閉じる

ユキはどうしてるのだろうか

そんな事を考えながら体を伸ばしていると部屋の扉が開けられユキが身を乗り出し話し出す


「お〜いセレナ〜ご飯だってさ」

「はいは〜い」

私は少し準備をしてユキを追い掛け施設に備え付けられている食堂へと向かう



「さぁ行こうか」

ユキはそう言い扉を押し開ける

作業員が酒を飲みそのついでに食事をしている

そんな中を私とユキが歩いていると


「お〜い」

「ん?」

声のする方を見るとメアリーが手を振っている

私達は駆け足で二人の方へ向かう


「いやぁごめんごめん、遅れちゃったよ」

「大丈夫ですよ、今来たところなので」

メアリーはニコッと笑い私とユキを椅子に座らせる

「今日は私が奢るので好きな物を頼んでください」

「ホントに良いの?」

ユキがそう聞くとメアリーは笑いながら頷き何処かへ去って行ってしまう

「ホントに良いのかな」

申し訳なさそうしメニュー表を漁るユキを見ながら言う

「まぁいいんじゃない?あぁ言ってるんだしここは彼女の好意を受け取ろう、拒否するのも失礼だし」

「そうだね……じゃあお言葉に甘えて」

私とユキは今日の疲れを癒やす為沢山の料理を注文し腹に詰め込んだ


「これくらいで良いかな」

ユキが体を伸ばしもうお腹いっぱいと言う様にお腹を擦る

私は久し振りに沢山食べたからかそれともただの疲労か猛烈な眠気に襲われユキの肩に体を寄せる

どうせメアリーが戻って来るまで移動は出来ないと私はゆっくり目を閉じて眠りに付く




「んあ……」

私はふと目を開ける

「あぁ……起きたのね」

私が目を開け視界に飛び込んできたのはユキの顔だった

「あれ……ここは」

起き上がり周りを見る

するとベッドの上でクシを持ち正座のユキを見つけ自分の髪が解かれている事に気付く


「眠っちゃってたからさ、勝手に部屋に入るのもあれかなと思って私の部屋に連れてきたんだよ、ついでに髪の手入れをね、」

「あぁ、ありがとう……」

私はユキの隣に座り身を寄せる

「膝枕をしながら髪を解くなんていつぶりかな」

「そうだなぁ、1ヶ月ぶりかな」

「そんなに前だった?」

「まぁ、久しいのは間違いないよ」

「昔は良く商品調達にこういう所に来ていたから毎日してたのにね」

「商品の仕入れルートが安定してからはマキの頼みくらいでしか冒険なんてしてなかったからね」

「私はセレナと冒険なんて久しぶりだし楽しかったけどセレナはどうだった?」

「私もそうだなぁ、久し振りにユキの膝枕を体験出来たし個人的には満足だよ」

「もう〜」

恥ずかしそうに私の背中をユキが叩く

「ふわぁ〜」

起きたばかりだと言うのに眠気が襲ってくる

「今日はここで寝ていく?」

「そうしよっかな……」

私はユキの誘いに乗り勢い良く布団の中に潜り込む

ユキも私の行動にため息を付きながら布団の中に入る

「ユキと同じベッドで寝るなんてホント昔を思い出すよ」

「そうねぇ……」

私とユキは昔の思い出に浸りながら眠りその壮絶な1日を終えた



朝私達は支度し施設を出る


「もう行ってしまわれるのですね……」

私は店に帰る前にメアリーに挨拶をと彼女の部屋を訪れる


「うん、こっちにも仕事があるからね」

「本当にお忙しい中ありがとうございました、助かりましたよ」

「まぁマキぱいからの頼みは断れないからねぇ」

「セレナさん達なら歓迎するのでいつでも来てくださいね!」

「暇な時にまた来るよ、まぁ近いうちにマキぱいからまた要請も来そうだしね」

「大変なのですね」

「昔から変わらないよ」

「それじゃあまた会う日まで!」

手を振り見送るメアリーを背に私はユキと合流し車に燃料を補給してから店へと帰路に付いたのだった



















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