第5話

五話



私達がシャッターの前へと足を進め

シャッターの横にあるデバイスから解錠を申請しようと操作したその時だ


「は?」

先程の怪物の咆哮があがり

振り返ると真ん中の首が再生し首を光らせていた

私はユキの腕を掴み地面を蹴って横へと飛ぶと同時に怪物が光を放ち

私達が先程まで立っていた場所が青白い火花を飛ばしながら崩壊していた。


私は怪物へ向き直り杖を構え真ん中に再度炎を纏わせた魔力を飛ばした

しかし

魔力は首に当たることはなくそれどころか途中で消え去ってしまったのだ。


そしてまたも首を光らせ口から光を放つ

しかしそれはもはや光と呼べる代物ではなく

形を成したビームの様なものであった

そしてそのビームは壁を溶かし

ビームから飛び出る火花は炎となり床を炎上させ

私達を徐々に追い詰めていく、

私達も抵抗し魔法を使えど当たる前にかき消され

刀は刃が通らず近付くことすら許されない。


そんな感じで私達がどうしようかと対抗策を探しているとアナウンスからメアリーの声が響く、


「セレナさん!ユキさん!怪我人の避難が完了しました!シャッターを解錠しますので今から送る座標にその怪物を誘導してください」

そんな声と共にシャッターが開き私達はその部屋を勢い良く出る

そんな私達を逃すまいと怪物も突撃しシャッターを紙クズのようにグシャグシャに破壊し外へと飛び出してくる。


怪物は逃げる私達にビームを放ちながら近付いてくる

そんな怪物に私は魔法を浴びせ続け

ヘイトを買う

ユキに引っ張られながら怪物を挑発し

メアリーから送られてきた座標である

リアクターへと向かう

怪物は度々高出力のビームを放ち周囲の壁や部屋ごと焼却しようとするが

その度にユキが私を引っ張り移動する事で事無きを得る。


そして遂にリアクターの前まで来る

するとアナウンスが流れ

「リアクターのシャッターを開きます!中に入れたら怪物を真ん中まで誘導してください!後は私がやります」

私達はメアリーの声に顔を見合わせながら頷き

リアクターのシャッターが開く前まで怪物を引き付ける。


しかしここはさっきまで戦っていた場所ほど広い訳ではなく寧ろ狭い

そんな場所であんな巨体を振り回されれば機動力に乏しい魔法使いがどうなるかなど誰にでも分かる


「ぐふッ」

怪物はその大きい尻尾を振り回しわたしの腹に直撃する

私は口の中に広がる鉄の味を感じながらも杖を床に突き刺し立ち上がる

怪物は2撃目を加えるため私に口を向けビームを放つが間一髪の所でユキに救出される


それと同時にシャッターが開放され中に入る事に成功

怪物も続けてシャッターを吹き飛ばし内部へ侵入する


リアクターの構造は

円柱であり

それぞれ壁に繋がる通路が足場の支えになっており

下には冷却の為か謎の液体が溜まっている

そして思い怪物を乗せているからか足場は揺れ今にも崩れそうである


そして私達は後ろの通路へと下がり怪物を真ん中の足場まで誘導したその時


「お見事です!足場を切り離すので部屋から脱出しエレベーターまで向かってください!」

そうメアリーに言われ出入り口へ向かおうと前を見たその時

怪物の真下にあるリアクターから薄い線が怪物まで伸び今までに無いほどのエネルギーを吸い取っている。


私は直感的に察した

怪物にこの攻撃をさせてはならないと

私とユキは顔を見合わせ同時に走り出す

怪物は逃げようとする私達を妨害する様に体から電撃を浴びせるが

華麗に回避し部屋を出る

すると怪物が乗っていた足場が音を立てて崩壊し怪物ごと下に落ちる。



「ユキ、エレベーターへ急ごう」

「そ、そうだね」

私達は出来る限り力を振り絞りエレベーターへと向かう

その間も音を立てて

そして間一髪のところでエレベーターに入り上の階へと上がって行った。



「はぁ……はぁ……大丈夫?ユキ」

「な、なんとか……生き残った……」

「ホント死ぬかと思ったよ」

「蕃神と聞いて覚悟はしていたけどね」

「そう言えばどうしてあの怪物の対処法が首をの断面を焼く事だってわかったの?」

「あぁ……外の世界に伝わる伝承に似たような怪物が出てきてさ、まさか出来るとは思わなかったけど一応やってみたんだ」

「何はともあれ、勝てて良かったよ」

「そうだね……」

そうやって雑談しているとエレベーターの扉が開く

そこは地上でエレベーターの前にはマキの事務所の人とメアリーが居り私達を見付けると走って近付いてくる


「無事だったんですね!」

「あはは……」

傷はあれど致命傷ではない

「まぁ念の為に休憩するよ」

「分かりました!本日はありがとうございました!」

「マキからの頼みだったからね、」

私達はメアリーと別れると休憩を取るための施設へと向かった












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