第4話
四話
私達は入口前の受付に来ていた
「行方不明者の捜索ですね〜分かりました、お問い合わせして来ますので少々ソファーでお待ち下さい〜」
受付嬢は私達に待合室のソファーに座る様促した
「ふぅ〜」
「何とかなりそうだね〜」
「そうだね〜、あっそうだセレナ今の内に武器の点検でもしない?」
「それもそうね」
私はユキの持ってきた鞄から杖を取り出しユキは刀を取り出す
私は息を吐き杖を地面に突き立て魔力を流し込む
すると杖が紅く発光し力が溢れ始める
「はぁ……」
そうやって点検をしていると
「セレナさん〜お問わせが完了しました〜」
「はいはーい」
私は受付に呼ばれて向かう
「マキ様からの派遣で行方不明者の捜索、許可が降りましたので、エリア13のエレベーターに向かって下さいね〜」
「ありがとうございます!」
私は後ろに向き直り出口へ向かう
「ユキ!行こうか」
「りょ」
私達は入り口を出て言われていたエレベーターへと向かう
向かう最中テントや人が沢山居り
何かを準備しているらしい
エレベーターの前に立ちドアの横にある端末から操作する
するとエレベーターが起動しドアが開く
私達はそれに乗り込み下へと向かっていく
数十秒そのエレベーターで待っているとドアが開き道が現れる
「それじゃあ行こうか」
「そうだね……」
「特に何も無いと良いのだけど……」
「まぁ……なんかあれば取り敢えず殴ればいいよ」
「そうだよ」
奥へと足を踏み入れると
「うっ」
「この臭いは」
周囲を見ると怪我をしている人が15人程居り自分に治療を施している
もう少し歩き奥へと進むと白髪に防護服を着た少女がオロオロしており私達を見付けると素早く近付いてきた
「そこの人!もしやマキ先輩から派遣された人ですね!」
「あぁ……まぁそうだね、」
「それで……この状況って一体どうしたの?」
「ここはマキ先輩が権利を持っている技術採掘場なのですがとあるポイントでとある脅威的な存在が現れた様なので確認に派遣されました」
「それで何が居たの?」
「蕃神が居ました」
「それが突然現れてこんな事になってるのね、分かった対処しよう」
「ありがとうございます!あ、自己紹介がまだでしたね、マキ先輩の運営する事務所に所属しているメアリーです、以後お見知り置きを」
「私はとある魔法店を営むセレナで横に居るのはユキよ」
「宜しくね」
「はい!よろしくお願いします」
私とユキはメアリーに案内して貰いその問題の場所の前で別れた
「ここがその場所か……」
その場所はシャッターが降り封鎖されている
後ろでメアリーが操作すると大きな音を立てながらシャッターが開き
中には9つを首を持つ蛇が待ち構えていた
「これは……」
中に居た怪物は私達に気付くと鼓膜に著しいダメージを与えるレベルの咆哮を上げ
睨み付けてくる
蕃神と聞いて覚悟していたがこんな所にあれ程に怪物が居るとは正直思って居らず内心動揺している
しかしよく見ると怪物の首元にこの施設の所有者であった会社の社章が入っており
その存在がオリジナルではなくこの会社が作った存在であると示していた
しかし表面上はオリジナルと遜色ないほどの力を有している
私は一瞬足が震えたが気を持ち直し部屋の中へと入る
部屋の中に足を踏み入れると同時に怪物は後ろに下がり尻尾が壁に当たる
それと同時に真ん中以外の9つの首が真上に首を上げ咆哮をあげる
私とユキは武器を取り出しその場を離れ怪物から距離を取る
怪物は真ん中以外の8つの首を青く光らし口から青白い光を放つ
光は音を立てながら壁を破壊しながら私やユキを追い掛ける
しかし怪物の首は小回りが効かず私達に当たる事は無く光は途切れ隙が出来る
私は杖を地面に突き立て魔力を矢のようにして怪物へとぶつける
魔力は怪物の体に刺さり血肉を抉るが怪物は少し身動ぎする程度で魔力を振り払う
するとその時ユキが刀で怪物の首を叩く事に成功する。
怪物の首に叩きつけられた刀は両断こそしなかったが肉に食い込み血を吹き出す
怪物は他の首で刀を握るユキを引きずり降ろす為ユキの足に齧り付く
私は照準を定め
周囲に散乱している石を集め魔力を流し込み
魔力の塊へと変えユキの足を噛む怪物の首めがけて飛ばす。
見事魔力の塊は怪物の皮膚を貫通し首を吹き飛ばす
それと同時にユキが怪物の胴体に力強く蹴りを入れ刀を引き抜きこちらの方に下がってくる
吹き飛ばされた首は次第に石のように固まり灰のように散り
怪物の方を見ると切断面から二本の新たな首が姿を現す。
「ははは……」
「これは如何すりゃいいんだ?」
「……」
「どうしたのセレナ?」
「いやぁ9つ首の蛇の怪物で思い出した事があるんだよ、外の世界の怪物なんだけど……」
そう言った所で怪物の首が青白く発光し始める
しかし今回は怪物の胴体にまで光が流れ込み
口からは青白い電撃を私達に向けて飛ばしてくる
電撃本体からは逃れたが一部私の足や腕、杖にまとわり付き皮膚が紫色に変色を始める。
「ユキ!怪物を引きつけて」
そう大きな声を出しユキに伝えるとコクリと頷き怪物の方へと走り首めがけて刀を突き刺し少しづつ切断する。
怪物はユキの腹や足を噛むことに集中しており
私の事など気付いて居ない
外の世界の9つの首の怪物の対処法をを思い出しそれを試して見ることにした
私は再度周囲の石を固め、炎で包み飛ばす
ユキを噛み殺す為に集まっていたのか首が5つ程一気に吹き飛び切断面が黒く焦げ
首は再生せず
またも咆哮を上げた。
ユキは刀を引き抜き怪物の皮を掴みながらも移動し怪物の背後に刀を突き刺し固定する。
怪物はユキを引き剥がすため首を真ん中以外の4つの首をユキの肩や腕を執拗に攻撃している
その隙に私はもう一度石を魔力に変え炎を纏わせ飛ばす。
運良く残りのすべての首を吹き飛ばし断面を焼く事に成功する
それと同時に胴体も力なく倒れユキが刀を引き抜き降りてくる。
「大丈夫!?」
傷だらけのユキに駆け寄り状態を確認する
「大丈夫大丈夫、少し噛まれただけだよ」
「大丈夫なら良いけど……」
「取り敢えず対象は倒したし戻って報告しようか」
「そうだね」
私達はシャッターへと足を進めた
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