第2話
第二話
「こっちもお願いしますー」
「あ、こっちもお願いしますー」
「はーい!ユキ〜そっちのお客さんお願い」
「任せロリ」
私はセレナ、
ここ魔界で魔法店を営んでいる
「お願いしますー」
「はいはい〜」
いつもは閑古鳥が泣く程暇なのだがどういう訳か今日は繁盛している
たまに周辺の企業が人員を招集する為交通の多いここはよく使われる
そしてここは魔法店、あれば便利な物があるのだ
「ねぇセレナ、T1の商品が切れたってさ」
「あぁ、有難うユキ……取ってくるからレジやってて貰える」
「ういうい」
普段は閑古鳥が鳴くほど暇だが古い友人の紹介で1人雇っているのだ
「おっ、あったあった、T1はロケットランチャーか……」
「セレナ〜早くきて〜捌ききれないよ〜」
「今行くよー」
私はT1の商品が入った箱をゆっくりと持ち上げ商品棚に並べレジへと戻る
「セレナありがと〜」
「お互い様でしょ」
「それにしても今日は繁盛してるね、また企業が何かしたのかな?まぁ私らには関係ないかな」
「繁盛するのは良い事だしね、私達からしたらありがたい物だよ」
「そうだね、あっテレビ付けようか」
「そうだね、何か分かるかもだし」
私はテレビのリモコンを操作し店内に備え付けられているテレビを起動する
「次のニュースでふ、アヴァンギャルドインダストリーズが自社の自治区と東亜建設自治区を繋ぐ道路を買い取り改築を決定、両自治区を繋ぐ道路は計画通り進めば交通の要所となる予定であり、周囲の土地の買い占めが開始されています」
「これここら辺じゃね?」
「繁盛の理由はこれか、やけに作業服が多いなぁと思ったら工事かな」
「そうみたいだね」
「てかこれ突発的な物じゃないじゃん、」
「人手が足らなくなりそう、猫の手でも借りるか」
「店壊れるよ〜セレナ」
「どうしようかなぁ……」
「求人でもする?」
「それ良いね」
「3食飯付き住み込みで」
「良いんじゃない?部屋は余ってるし」
「そうしようか」
「早速ハロワに出そうか」
「そうだね、んじゃ私求人出してくるからセレナよろしく!」
「え、」
「店主が店から離れちゃ駄目でしょ」
「あ、待ってよ、そう言って逃げるんでしょ……待ってよユキ、待って〜」
ユキは私の声に耳を傾ける事なく求人要請に必要な書類を持っていって出ていってしまった
「会計まだすか」
「急いでるんです、早くして下さーい」
「この量を一人で……」
私は小さな絶望を感じながらレジ業務に戻りユキの帰還を待った
時が進み閉店の数分前となった所でようやく笑顔のユキが帰ってきたのだ
「おそいじゃん、もう、閉店だよ」
「ごめんごめん少し手間取ってさ」
笑顔のユキが求人受理の書類を差し出してくる
「まぁ業務はちゃんとやってるから何とも言えない……」
「そうそう、んじゃさっさと閉店作業して品出しやらないとね」
「せやなぁ」
私は客が来ない事を確認し鍵を締め看板にも本日閉店の旨を伝えるモニターに切り替える
「結構売れたね」
「まぁ企業が色々するみたいだしねぇ……魔導具なんて大量に消費されるだろうしね」
「ここ周辺にある魔法店はここだけだから尚更だろうねぇ」
「あ、そうだセレナ、道中調べてみたんだけどさ」
「うん?」
「ここ周辺には12の自治区があると思うんだけどここの道をすべてそよ自治地区に繋げるらしいよ」
「マジで?結構な大工事じゃん、1企業が出来るものなのかな」
「まぁ私らはその恩恵を享受するだけだからね」
ユキがニヤっと笑う
「これから実に忙しくなりそうですなぁ?」
「あ、セレナ?」
「ん?」
「明日買い出しだから手伝ってもらえる?」
「りょ〜」
「さてさっさと品出しを終わらせてご飯を食べようか」
「そやな、さて…… 」
「こんなものかな」
私達は数十分間品出しに勤しみ終わらせた
業務終了後の私達は食事の準備を各々で分担してお風呂に入り疲れた身体を温かいお湯に浸してゆっくりと癒やし食事を行う
「今日も何事もなく終わったね」
「何か重大な事案が起きた事はないでしょ」
「まぁ、一応じゃん……」
「ま、良いけど」
「ぬふふふ」
「気持ち悪い笑い方だなぁ」
「酷いよぅ」
「まぁまぁ……」
「今日のご飯はパスタァか、セレナのパスタ好きなのよね、」
「褒められると作った甲斐があると思えるね」
「うふふふ」
「さぁ、雑談も程々に食事を終えたら明日に備えて寝ましょ」
「そうね」
食事を終えると各々の準備をして就寝するのだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます