第24話 死闘、始まる
黄攏「韓名の弔い合戦も含めた大事な1戦ですな、此処で罫の糞野郎達を返り討ちにして大皇様の強さを示してやりましょう」
そう言っていると布陣が完成し、目の前には罫国軍が迫っていた。黄攏は自軍に戻って陣頭指揮を行った。
王蒙「2歩ほど進んで止まり、布陣しなさい。そして真隊を中央軍の第1線に配置しなさい」
墱(王蒙軍将軍)「殿、あの餓鬼を大層なほど気に入られましたな」
王蒙「気に入ってなどいませんよ。彼は反乱鎮圧の大きな功労者の1人と聞いています。だから彼の実力を千将で試してみるのですよ」
そう言うと呉国軍が突撃を開始した。そして呉国軍は罫国軍と衝突すると先陣に立っていた黄攏が奮戦し、罫国軍歩兵を恐れさせた。真隊は目の前に来た呉国軍を蹴散らして前へ進んでいった。
蘇随「真殿、我々はこの敵を食い止めます。なので直ぐに好機です!」
真「ど、どうしたんだよ。何が好機なんだ?」
蘇随は矛を振るいながら呉国軍騎馬兵を斬り捨てていった。
蘇随「我々の目標は将軍の黄攏か三千将の撃民のどちらかを討ち取ることです。隣には将軍の黄攏がいて好機です」
その言葉を聞いた真は何か気づいたような顔をして直ぐに真隊の一部を率いて黄攏の前に立った。
黄攏「俺の邪魔をするなぁ!」
黄攏から放たれる剣の一撃は重く、真は馬上から落ちそうになった。そして黄攏は容赦なく、また真に一撃を加えようとしたが真はそれを全力で剣を振り下ろして押し返した。黄攏は驚きを隠せずにいたが直ぐに冷静を取り戻して真に斬りかかった。
山蘭(大皇軍軍師)「黄攏が敗れるかもしれないと?あの剣大好き馬鹿が?」
大皇「あぁ、そうなっては欲しくないと思っているが俺は今、一騎討ちをしている相手の餓鬼を見てほんの少しだが大武将の空気を感じられた」
山蘭「あの罫国の大武将ですか?」
そう問いかけると大皇は小さく頷いた。山蘭は冷や汗をかきながら黄攏のところを見るが何も感じられなかった。
大皇「俺が産まれて少しの時には既に活躍していた。罫国は5人の戦に明け暮れ、強かった大将軍を五大武将として制度化した。そしてそいつらが本当に強かったと父上が語っていた」
一方で真は黄攏が斬りかかってくるのを何とか防いでいた。最初は余力があったため、押し返すこともできだが息切れし始めて押し返すこともできなくなっていった。
真「ルアぁ!」
全ての力を込めて剣を振り下ろすが黄攏は眉一つ動かさずに受け止め、笑みを浮かべた。真はその笑みに背筋が凍り、馬を少し退げた。
黄攏「それが渾身の一撃と言うのならお前は負けだ。さっさと俺に首を斬られて道を開けろ。今なら楽に斬ってやる」
真「何を言ってやがんだ。死ぬのはそっちだ。お前の首を斬って俺は天下の大将軍になってやる!死んでいった奴にはそれがせめての成仏になってくれるはずだ!」
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