第23話 午城決戦前夜

大皇は直ぐに軍容を整え、出陣した。そして諜報員から罫国軍は王蒙が率いていることを知ると大皇は少しだけ冷や汗をかいた。

善攏(大皇軍将軍)「王蒙とはあの…」

王蒙とは罫国が興って数十年後に大将軍となって各国の軍と戦っては撃破して領地を支配してきた他国の誰もが恐れ、恨む大将軍だった。そして王蒙が率いる私兵も圧倒的な個の力があり、戦で大活躍をするのは当たり前だった。それが呉国軍に広まると大半の人間が恐れていた。

王蒙「集まったのは9万ですか…相手もほぼ同じくらいでしょう」

そして真はこの戦に参加しており、また隊を率いていた。そこに王蒙が現れた。

王蒙「此処に真がいると聞きましたが、何処でしょうか?」

真「何の用だ王蒙将軍」

王蒙「私に敬語を使わないのは王だけと思っていましたが…何とも面白い少年ですね~まぁ、今回は貴方を千将としてある大任を受けてもらおうとおもってるのですよ」

その言葉に真は驚き、胸を躍らせた。真は反乱鎮圧の功として家と土地を与えられていたが隊の昇格はなかった。王蒙は反乱の事件と真の活躍を知っており、千将に昇格させるのも妥当だと思っていた。

王蒙「ですが私の大任を受けない、又は失敗すれば私の宝刀で一刀両断にしてあげますよ。その覚悟を持ちなさい。そして私からの大任は1つだけ、敵は大皇…勿論、これを討って欲しいのですがそんなことができるのなら元より万の将ですよ。だから側近の将軍である善攏と三千将の撃民のどちらかを討ち取ってきなさい。どちらとも討ち取りたければしてもらっても構いませんが…現実的なのは撃民の方ですが彼も武人として名高いので油断しないように」

そう言うと王蒙は馬を走らせて本陣へ戻っていた。そして直ぐに増兵された。増兵された全ての隊員は馬に乗っており、真達は少し怖がっていた。

蘇随(罫国軍五百将)「蘇随です。元々は別の隊に仕えておりましたが今からこの隊の将兵として誇りと想いを持ち合わせながら戦わせていただきます」

そして蘇随は副長になり、真隊を表と裏を関係なく、支えることとなった。

王蒙「蘇随は元々ですが列国最強と噂された大将軍の元にいた隊長ですからね~彼の率いる騎馬隊も強力な破壊力と機動力を持ち合わせてます。これからの彼らの活躍が楽しみですね。さてでは明朝に出発するとしますか」

そして朝日が昇ると王蒙は先陣に立って出発した。午城には後1日まで迫り、呉国軍は万全に立ち向かえるよう策を考えていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る