第19話 新たな脅威
櫓国に新たな宰相兼将軍が現れた。隣国だった泥国の大将軍の官歴が6万の大兵を率いて櫓国への侵攻を始めた。
官歴(泥国大将軍)「はっはっ!この戦で奴らの息の根を止めてやるわ!相手は無名の李警とかいう将軍らしいが俺様の矛で真っ二つにしてやるわ!」
満数(官歴軍副官)「官歴様、大王が失敗したら命はないと思えと…まぁ、失敗などありはしないと思いますが」
そう言っていると目の前に1万ほどの軍勢が現れた。官歴は先頭に立ってそれを楽しそうに微笑みながら見ていた。
李警(櫓国将軍)「やはり戦とはよろしい物じゃありませんね。ですが私の愛するこの国を荒らすと言うのなら容赦は一切しません」
そう言うと官歴が先頭を走って泥国軍がそれを追うように動いた。官歴は余裕そうな表情で櫓国軍の陣を荒らしていく。その姿に皆が驚きと恐怖を隠せずにいた。だがある大矛を持った男が馬に乗って官歴の前に出た。官歴はお構い無しに矛を振るって男を殺そうとするが男も余裕そうに官歴の矛を止めた。
官歴「(こ奴!只者ではないな…一度退かねば)」
北建(櫓国将軍)「貴様は俺の道を阻むほどの男ではない。ならば此処で始末するのみ」
そう言って官歴を反撃させる余裕を与えずに防ごうとした矛ごと断ち斬った。官歴が血を吐きながら倒れるのを見て戦場にいた泥国軍は士気を失って撤退を開始した。だが激しい追撃に合い、半分も生き残れなかった。残った泥国軍は満数の陣頭指揮で何とか被害を少なくして撤退ができたがこの敗北は泥国の面子はめちゃくちゃとなった。
李警「これ以上の追撃は禁止します。余計な死傷者は悲しみを増やすだけで無意味です」
その命令を厳格に守らせ、泥国軍への追撃を禁止させた。これが泥国軍の撤退を余計以上に早くさせた。
北建「李警、貴様は俺に嘘を吐いたな。俺はお前に道を阻む男がいると聞いて出てきたというのに…何の脅威でもなかっではないか!」
その言葉に李警は頭を下げて櫓国軍を率いて後退していった。北建も黙ってそれに付き従っていった。櫓国に帰ると李警達は国民に大歓喜に迎え入れられた。朝廷も今回の勝利に歓喜しており、この時だけ全員が一丸となっていた。
欄外王(櫓国第11代大王)「貴殿の活躍は国民の誰しもが知った。今回は私も頭が上がらない。そのため、貴殿を宰相と将軍の兼任を命令する。これからも我が国のために頼むぞ」
そう言うと李警は静かに欄外王の視線を感じながら頷いて欄外王の退室を待った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます