第14話 懇城、陥落す

介楊による懇城攻城が熾烈になっていった。両軍は大きな犠牲を出しながらも罫国軍は優勢になっていた。

介楊「必ず落とすぞ!」

そう言っていると懇城の正門が開き、中から雁木を先頭とした騎馬隊が出てきた。そして奇襲だったため、懇城を見ていた下の罫国軍歩兵達は何も対応できず、斬られていった。介楊がそのことに気付くと直ぐに現場に馬を走らせて雁木に斬りかかった。

雁木「この軍を率いているのはお前か…」

雁木が双剣で介楊の剣を受けていると後ろから雁木の率いてきた騎馬隊が介楊の背中を刺しそうとしてきた。すると真がその騎馬隊達を受け止めて介楊の背中を守った。

真「こいつらは俺に任せてろ。片付けてやる」

そう言って真が向かってくる騎馬兵を蹴散らしていた。だが介楊は雁木に剣で斬られ、深手を負ってしまった。その傷を介楊は笑みを浮かべながら圧迫していた。

介楊「将はこんな傷で死んで堪るか!死んでもお前と一緒に…」

そう言いながら剣を雁木に斬りつけようとした。雁木はそれを余裕そうに受け止めながら押し返した。そして逆に介楊を斬ろうとした。それを介楊が何とか受けようとしたがまた斬られてしまった。雁木は1つの剣を肩に乗せて介楊を見つめていた。そして真が向かってきた騎馬隊を斬って雁木に斬りかかった。

真「次は俺がやってやるよ」

雁木「次から次と…仕方ない、2つの首を落とさねばならないとはね」

そう言って雁木は剣を振ろうとしたが真はそれを受け止めて物凄い力で押した。雁木は驚きながら押し返そうとしたが押し返せず、真の剣先が雁木の体に触れたところ深手を負ってうつむいていた介楊が目を覚まして起き上がり、背を向けている雁木の背中を力強く握った剣で斬った。

雁木「ゴフッ…此処で終いか…松英様、先に行って参ります」

そう言うと雁木は息絶えて双剣を落として馬から落ちた。介楊は首を落とさず、敬意を払って死体を安全な場所へと運ばせた。雁木に連れられてた騎馬隊は対応してきた数的有利な罫国軍歩兵師団によって全滅した。

松英「城を明け渡す。だがわし達は逃げるぞ、絶対に誰も捕まるでないぞ!」

そう言って松英は残存している兵力を連れて包囲が薄い西門から出て西側を包囲していた罫国軍を荒らした。松英と介列永、それに供をしている松英と介列永の直下兵団による奇襲で罫国軍は大きく混乱して突破された。追撃隊を出したが全て壊滅させられ、失敗に終わった。4度目が失敗したことで追撃隊は送られず、全ての罫国軍は懇城に入城して罫国の旗を立てた。

鏤舎奈「懇城の住民を1人残らず集めよ。聞かせねばならぬことがある」

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