第13話 増援

罫国軍は捕虜に容赦なく拷問し、新たな情報を得られたが懇城を攻める数が足りなかった。そこで遂に増援の使者が届き、中央から1万の兵が送られた。

介楊(罫国中央軍大将 将軍)「鏤舎奈大将軍、中央軍1万を増援として使ってください。私はどの所属でも構いません」

その言葉に鏤舎奈は笑みを浮かべて天幕の奥へと入っていった。介楊は1万の兵を出来るだけ均等に振り分けて罫国軍本陣に留まっていた。

米欧「介楊殿と言ったな、此度の増援軍大将に感謝する。それでだが明日に懇城を攻め、これを落とす。こちらも正規軍だが戦で疲弊してて使い物になるか分からん。だから貴殿の兵士達に命を捧げるつもりで戦っていただきたい。我らも後方から厚く支援する」

介楊「だ、だが我らの兵だけで城を落とすなど無理に決まってる。鏤舎奈大将軍による命令でも流石にだ」

米欧「こんな事態に貴殿は何を生ぬるいことを言っておられる!そんなんで良くも我が国の将軍を名乗れたものですな!上からやれと言われたらやるのが俺ら将校だ。そして実行させる下の奴に渇を入れるのも俺達だ。それを今の貴殿は放棄しようとしているのですぞ?そんなので懇城を落とせるわけがないでょうが!代理の者を送らせていただく。その人に指揮を任せる故、貴殿は国に帰って将軍という階級を返して村に戻って俺らの食糧になる畑でも耕していただきたい。貧弱者に戦場の役目などない」

そう怒って言った米欧に介楊は両頬を自分で叩いて中央軍本陣へ戻っていった。それと同時に米欧の怒号を聞いた米欧の側近である待僅がやってきた。

待僅(米欧の側近 米欧軍副官)「米欧様、一体どうなさいましたか?あまり叫ばれますと明日に影響しますぞ」

そう言われた米欧は不満そうな顔をしながら自分の天幕に戻って眠りについた。一方で介楊は本陣に戻ると疲れ切った顔をしており、配下達を心配にさせた。

難定(介楊の側近)「どうされた介楊殿、顔が暗くてより一層顔が見えんぞ」

そのいじりに介楊は気にせず、天幕に入って明日の攻城戦の作戦を練ろうとしていた。難定も参加し、その他の側近達も集まって考えていたが作戦が決まらないまま全員がいつの間にか眠りに落ちており、見張りが起こしたことで朝がやってきたことを知った。

介楊「俺はやってやるぞ、此処で米欧達に俺の将軍の姿を見せてやる」

そう騎乗して前線で張り切っている介楊を後方で米欧はただ見ており、次は目の前に現れた少し大きい懇城を見つめ、攻め方を模索していた。

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