第12話 新たな混乱

罫国軍は解散せずに懇城の近くに夜営しながら陣を敷いて罫国からの救援を要請し、待機していた。簡易的な砦も少しずつ建てられ、懇城の監視は厳しくなっていった。

雁木「今日もやらないといけないのね、それじゃあ始めるか」

そう言うと雁木は罫国軍歩兵に紛れて夜営陣地を歩き回っていた。そして人が少ない場所で座っていると複数の騎馬兵とその先頭に高価そうな甲冑を身に付けている大男がいた。

何媒(鏤舎奈軍千将)「戦にも勝たれた我が主は正に罫国の武を代表する人となられた。その軍で戦えるとは武人としては最高の誉れよ…の」

そう言っていると雁木は何媒へ一直線に向かって剣を振り回して刺そうとした。それを防ごうと何媒は剣を抜こうとするが間に合わず、雁木に斬られてしまった。他の騎馬兵は雁木を斬ろうとしたが近くにいた雁木の直下兵団によって全員が斬り殺された。

雁木「良いところで来たね。直ぐにこいつらを奴らに見つからないよう始末しておいて、僕は他にも行かないといけない場所があるからさ」

そう言うと雁木は剣を直して何処かへ消えていった。雁木の直下兵達も命令通りに殺した騎兵達を何もなかなかったかのように片付けて去っていった。雁木は直ぐに警備が少ない千将級以上の将を3人斬って闇夜に消えていった。翌日に全てが分かり、直ぐに千将級以上の将校を厳重警備を敷かせた。そして特に何も起こらずに夜を迎えてしまった。

鏤舎奈「さぁて始めよ。奴らはそこらの茂みに隠れ潜んでいる。中隊以上で行動し、茂みには必ず槍を何度も隙間なく刺せ」

その命令を下すと直ぐに各部隊は中隊以上でそこらにある茂みを槍で隙間なく刺し始めた。それを知らなかった雁木の直下兵達は何人も命を落としたり、怪我を負ったりして捕虜となった者もいた。捕虜を尋問しようとするが一向に口を開かず、痺れを切らしたり、何媒の配下の者達が捕虜を拷問して殺すという事態も発生してしまっていた。米欧は捕虜全員を預かり、ゆっくりと尋問をしていくこととしたが口を開いたとしても良い情報を得られず、情報戦は難航していった。

鏤舎奈「仕方がないのぉ、それでは捕虜を全員集めよ。そして一部の捕虜を捕虜の目の前に連れてその一部の捕虜に酷い拷問をしながら首を落とせ、そうでもしなければ奴らは簡単に口を開かないぞ」

そう言うと米欧は自分の陣へ戻って不満そうな顔で捕虜がいる牢屋の方角をただただ見ていた。そして雁木は暗殺を一度中断して懇城へと戻っていった。


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