第11話 勝敗決する
介列永とその軍は罫国軍の大部分を荒らすと一旦引き返した。それを真は追って何人かの介列永兵を屠った。介列永はそんなことを気にせずに生国軍の陣へ戻ろうとしていった。
雁木「介列永殿、このガキは放っておいて。時期に死ぬから」
その言い付けを介列永は守ってただ馬を走られせていたが犠牲は少なからず出た。
介列永「(くっ…矛を振りたいが奴の言い付けが)」
一方で危機を脱して指示を仰いでいる万善は米欧からの追撃をかわしながら戦場を転々としていた。だが次は米欧が自ら隊を率いて背を向ける万善軍に容赦なく猛攻を仕掛けた。
米欧「次は逃がさんぞ、俺が貴様の首を斬ってやる」そう言って米欧は逃げ遅れる万善軍騎兵を矛で次々と斬って進んだ。そしてそろそろ万善の背中が見え、米欧は笑みを浮かべて矛を振り上げ、万善の背中を叩き斬るかのようにした。
万善「殺れるものなら殺ってみろ!地獄の底まで逃げてやる」
そう言いながら万善は馬をより一層速く走らせようとしたが米欧の馬には敵わず、米欧が万善の背中を矛で斬った。そして万善は頭から落馬し、そのまま万善軍は大きく崩壊した。万善はかろうじて息をしていたが米欧が他の米欧軍騎兵に槍でとどめを刺すよう命令して次の戦場に向けて姿を消した。
鏤舎奈「うぉら!さぁ、わしを止めるのは誰じゃ!」
鏤舎奈は矛で生国軍の前線をどんどん押し上げ、生国軍本陣まで後少しのところに来ていた。それに松英はただ笑みを浮かべるだけで何も対処せずに近くにいた生国軍指揮官達を困惑させていた。
松英「万善がやられた。この戦は負けた…やるだけ時間と兵の無駄だ。撤退の銅鑼を鳴らせ」
そう言うと戦場全体に生国軍に対しての撤退の銅鑼が鳴り響き、生国軍は指揮官達に従って直ぐに撤退を開始した。だがそれを罫国軍は背後を討ち、戦に参戦していた生国軍の半数を罫国軍は屠った。真も追撃に参加して何人もの生国軍歩兵や騎兵を討っていった。真と一応伍を組んでいた滝陽、麗、尾供、尾朗は生き残っており、麗も真と同じくらいの数の生国軍歩兵を討っていたのだった。そして生国軍は松英の命令によって数を減らしながらも撤退したため、罫国軍はそのままその周辺地域を占領し、勝利した。そのまま懇城に出陣するかと思ったが周辺地域を占領するだけでそこで軍の大半を解散させた。護明を討ち取って勝利した三宝の戦いだけでは終わらず、懇城に迫る勢いまでに発展した戦いは懇城こそは落とせなかったものの犠牲を出しながら罫国軍が勝利した。
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