第9話 大将出陣
生国軍の劣勢を聞いた懇城城主である松英は懇城の僅かな軍を率いて打って出た。
松英(生国大将軍 懇城城主)「雁木、直ぐに奴らの前線を荒らせ!近くの兵をお前に与える。万善はおるか?」
万善「はっ、万善は此処に」
大将の椅子に座る松英を万善は見ながら跪いていた。そして雁木は乗馬して真達がいる戦場へ少しの近衛兵を率いて行った。
松英「わしも死ぬまで現役を掲げておるし、鏤舎奈とかいう男を叩き斬ってしまうのも良いがそれじゃあちと面白くない。万善、貴様は敵を料理し、戦に勝利することに快感を覚えると聞いたぞ。是非とも罫国軍を破ってきてもらいたい」
その言葉に万善は声による返事はせず、ただ頷いて乗馬し、自分の本陣へ帰っていった。そして松英は酒を飲み、目の前の戦場をつまみにしているかのように笑みを浮かべながら見ていた。
雁木「ほいっ、ほいっ、ほいほいっと」
そんな掛け声をしながら雁木は双剣を振って突撃してくる罫国軍歩兵を何人も斬って前進していった。連れてきた近衛兵も強く、罫国軍は少しずつ押され、戦線を元の位置に戻されそうになるまでいっていた。
真「敵が強い…どうする…」
そう真が考えていると後ろから馬が走ってくる大きい音が聞こえてきた。真が後ろを見ると先頭には鏤舎奈が立っており、真の方に向かってきた。そして雁木と近衛兵はそれを好機と捉えて近衛兵の大半が鏤舎奈を目掛けて突撃していった。だが鏤舎奈は矛を大きく振って目の前の何人かを斬ってそのまま進んでいこうとしていた。残りの近衛兵は鏤舎奈の背を討とうとするが後ろから鏤舎奈が連れてきた鏤舎奈軍直下の騎馬隊が邪魔をし、近衛兵を少しの犠牲を出しながら全滅させた。雁木は分が悪いと見て一度退いて他の戦場で暴れた。
鏤舎奈「敵が強くなってる。これは新しい大将が出陣してきたのだ。懇城を目前に攻城は断念せねばならんやもしれんな、だがこの戦に勝てば生国軍は前の戦を合わせて3人の大将軍と将軍を失うこととなる。それはあんな小城を落とすよりも価値があるぞ」
そう言い放っては後続の騎馬隊達を率いて他の戦場に行った。真も鏤舎奈からもらった馬で戦場を次々と駆け回って生国軍歩兵を斬っていった。
松英「そうか…我が精鋭が抜かれたか…まぁ、良い。直ぐに万善の精鋭を出させよ、早めに対処せねば面倒なことになるぞ」
そして万善は山に本陣を設営していた。すると後ろから敵襲を受けた。
米欧「鏤舎奈様の読み通りか…そのまま攻撃の手を緩ませるな!此処で万善とかいう将軍を討ち取るぞ」
米欧軍による攻撃を少数の万善軍は全力で防ごうとするが背後から大多数の急な攻撃によって敗北が続いた。万善は逆転の策を考えてその場に留まり、家臣達の意見を無視していたが米欧本人が騎馬したまま突撃してきたため、直ぐに家臣に討つよう命令したが米欧らそれを余裕そうに矛で斬って突破してきた。万善は米欧を目の前にしても動じる様子はそこまでなかったが米欧は矛の先端を万善に向けた。
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