第8話 懇城攻略

鏤舎奈が罫国軍を率いて三宝の近くにある懇城に接近すると懇城から2千の生国軍が出てきた。

鏤舎奈「ふっ、予想より大きいようだな。それで感兄弟から何と?」

米欧「そ、それが…両者共に何者かに斬られておりまして…私の監督不届きです。面目ありません」

そう申し訳なさそうに言う米欧を見て鏤舎奈はただただ笑みを浮かべ、馬を走らせていた。そして生国軍と衝突する手前で罫国軍に布陣するよう命令した。

鏤舎奈「さぁ、宴の始まりじゃぞ。歩兵共」

それと同時に罫国軍歩兵団が生国軍に突撃した。最初は勢いで罫国軍が押していたが時が経つと同時に戦線は膠着していた。

真「っし!ルァァ!」

真は馬に乗ったり、降りたりを繰り返して何度も生国軍正規兵を斬っていった。それに他の罫国軍歩兵達も続いて少しずつ戦線を押していた。滝陽は真以外の伍のメンバーで戦を進めていった。特に麗は女兵士ながらも剣を振るって何人もの屈強な生国軍歩兵を一気に斬り倒していった。

万善(生国軍将軍 軍師)「何ィ~!あの屈強な黄隊が抜かれただと~?」

三(万善の護衛兵 戦場見張り兵)「はっ!伝令がそう言っております。それも抜いたのは1人の剣士と…」

万善「まぁ、仕方ない。奴らは酷使に酷使を重ねていったからな、此処らで終わりだな。では先ずは冷騎馬隊を出し、その後ろから弓隊で援護せよ。そのまた後ろに重装盾歩兵を出せば完璧な守りだ」

その命令通りに生国軍は動いたがそれを突破しようとする者が3人いた。それは鏤舎奈、真、麗であった。この3人は矛や剣を振って生国軍を倒して前進していった。これに罫国軍歩兵や騎馬隊は続いた。

尾供「し、真の奴はあんなに強かったのか?何か別人みたいだぞ」

真は乗馬して生国軍の中心に入って暴れていた。それを支援するかのように鏤舎奈直下の騎馬隊の一部が来た。この部隊も強く、生国軍歩兵をどんどん蹂躙していった。

万善「撤退だ。三、撤退の合図を出せ」

そう言って万善は僅かな護衛を引き連れて懇城へと下がっていった。三の撤退の鐘によって生国軍は罫国軍の激しい追撃を受けながら数を減らしたものの何とか全滅せずに懇城へ帰還できていた。そして日が落ちてきていたため、鏤舎奈は追撃隊を引き戻して夜営に入った。

鏤舎奈「意外と抵抗しよるな懇城とその軍が、こんな小城にあまり時間をかけすぎてはいかん。だから明日、総攻撃に出るぞ」

そう言うと懇城を見張っていた米欧から報告があった。

米欧「鏤舎奈様、懇城から100の歩兵が出てきて我らの動向を見張っていると我が斥候隊から報告が、特に何もしてくる様子はありませんが目障りでしょうか?」

鏤舎奈「ふっ、ほっておけ。どうせこの軍には何もできぬ、それより早くお前も休め。明日は城を攻めるから体力を温存しておかなければならんぞ」

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