第7話 異変

感方は馬を飛ばして何とか本陣に辿り着こうとしたが馬に騎乗した双剣の男に斬られ、馬から落馬し、死んでしまった。

雁木(生国軍千将)「さ、こいつの甲冑を奪って奴らの本陣を荒らすとしますか」

そう言って雁木は馬から降りて感方の甲冑を奪い、それを着る。そして感方の名前を確認し、馬に乗って急いでいる様子を見せながら本陣に戻った。奇襲を受けたと見せるために感方の返り血を利用した。

雁木「きゅ、急襲に合いました!感方様は敵に…うっ…」

そう言うと米欧と感物が天幕から出てきて雁木をじっくりと見た。

感物「それは誠か?」

雁木「はっ!私達が小城を偵察して帰還しようとしたところを敵に狙われて何とか感方様と抵抗しましたが感方様は敵に殺されてしまいました。私は敵の追撃を受けながらも何とか敵から逃れて此処に到着しました…ですが我が隊は私以外が全滅しました。も、申し訳…」

米欧は泣く雁木の姿をすっかりと信じてしまい、感物に休む場所を与え、案内するよう命令した。感物も唯一の身内である感方が死んだことに悲しんでいたが命令通り休める場所を案内した。そして静かな場所にある天幕に案内し、天幕に入ると雁木は剣を抜いて感物を斬った。

感物「な、何をしやがる。もしや貴様は…」

雁木「気付くの遅ッ~それで米欧って奴は此処の隊長なの?」

感物「貴様に教えることなど何もないわ…ゴフッ」

そう言われて雁木は剣で感物の心臓を貫いた。感物はそのまま動かなくなり、全身の力が抜けたようにヘナヘナになっていた。

雁木「次はあの米欧を斬ってくるのか…我が主もこういうの好きだね」

そう言って近くにいた軍馬に乗って双剣を持って闇に紛れた。

米欧「では明日、あの小城を落とすとするか。多少の犠牲で済むと良いが」

米欧が軍略会議を終わらせて自分の天幕で寝ようとしていると報告が入ってきた。

鈍(米欧軍百将)「米欧様!妖千将と腕五百将が何者かに斬られております。捜索隊を出して捜索したところ感物殿も斬られており、あの男の仕業かと…」

一方で雁木は書簡に線を入れ、馬に乗って罫国軍に見つからないよう懇城へ向かって姿を消していった。

雁木「俺にしては演技も戦果もやった方だな、主様に褒めてもらおう!」

その日の夜、罫国軍は将校を守るために兵を動員し、交代制ながらも朝日がやってくるまで警備を行っていた。

鏤舎奈「多分だがあの小城には厄介な敵がおるぞ、直ぐに取りかからねばな…」

そう言って甲冑を身に付けながら鏤舎奈は小城を見つめていた。

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