ヒロインみーんな彼氏持ち!?なラブコメ〜〜〜俺を助けたセクシーギャルも、俺と結婚を誓った美少女幼馴染も、俺の下駄箱に手紙をいれた童顔ツインテール女子も、もれなくみんな彼氏がいる……
第30話 可愛いは正義なんです。たとえ男でも
第30話 可愛いは正義なんです。たとえ男でも
「いやぁ、食った食った」
朝食ビュッフェを堪能し、トイレから帰ってくると、ロビーのソファーで双葉が満足げにお腹をポンッと叩いていた。
たしかに朝から贅沢の極みだったね。ベーコンやスクランブルエッグはもちろん美味しいけど、何と言っても海鮮食べ放題! いくら丼3回もおかわりしちゃったよ。
「あ、清忠おかえり~」
「おう。あれ、他のみんなは?」
ロビーには双葉しかおらず、周りは外国人観光客と日本人カップルばかりで疎外感を感じる。まあ、男女が2人一緒というだけでカップルと判断するのは早計か。俺みたいに男側が都合よく使われている可能性もあるし。いやないわ。
「男子なら出発の準備するからって部屋戻ったよ」
「あ、まじ? じゃあ俺も──」
「待って!!!」
「えっ?」
部屋に向かって足を踏み出した俺を、双葉が制止した。
嫌だなぁ……絶対碌な事じゃないもん。
「清忠はその前にやることがあるからね」
※
はぁ。
まあ勘付いてはいたけどさぁ。
いたけどさぁ……。
「よ〜し。じゃあ清忠を可愛くしていこ〜」
「いやなんでだよ!!!」
女性陣の部屋へと連れ去られた俺は、美少女に囲まれながら、ちょこんと鏡の前に座らされた。眼前に映るのは、これから訪れる悪夢に絶望する俺の顔。タスケテ。
「これから行く公会堂の中ね、衣装館ってのがあるんだって」
「ドレスをレンタルして、写真を撮ったりできるんです」
「ええっと……うん。それが?」
真意は完全に測れてしまったが、わずかな希望を胸に俺が聞き返すと、双葉は待ってましたとほくほくな表情で双言った。
「清忠も着たいよね~」
着たいわけあるか!
前回は流れであんなことになったけど、俺にそういう趣味はないのよ。頼むから普通に観光させて欲しい。
「着たくないし。それなら今日と明日ずっと制服でいいわ」
みんなが私服なのに俺だけ制服はなぁ、とは思ってたけど。みんながドレスなら俺も!、とはならんのよ。それとこれとは別問題なので……。
「だってさぁ、思っちゃったんだもん」
「……何を?」
「公会堂でドレス着れるって知ってさ。清子ちゃんにぜっっったい似合うって」
「そんな女は知らん」
当然のように改名するな。
「ほら、海堂は大事な友だちじゃん?」
「あぁ。う、うん」
「だからさ。うちも海堂といろんな想い出作りたいんだよ」
「佐倉ぁ。……とはならんよ?」
「お友だちと一緒に何かをする、というのは楽しいことだと思いますし」
「津久志さんまで……」
なんでみんなドレス姿の俺が見たいんだよ。どこにも需要無いだろ。美少女たちだけで普通に楽しんでくれよ。
「清忠」
「そうだよ海堂」
「清忠さん」
あ~もぉ。しょうがないなぁ……。
女子からそんな熱い瞳を向けられちゃ。
「絶対しません」
「えぇ。可愛い服も買っちゃったのに~」
「……なら普通の服を買ってくれよ」
元はと言えば、双葉の連絡が遅すぎたのが原因なのに。なんで余計なことをする時間だけは無限に湧いてくるんだよ。
「そうだ!」
「今度はなんだよ……」
「こういうのはどうかな? ちょっと耳貸して」
「えっ?」
すると双葉は俺の耳に手を当て、ある取引を持ち掛けてきた。
「まあ、それなら……いいけど」
───────────────
いつもお読みいただきありがとうございます!
連載当初からここまで毎日更新していたのですが、ついに話のストックが切れてしまったため、しばらく隔日更新になると思います。なんとかカクヨムコン期間中に10万字行けるように頑張りたい……!
今後ともよろしくお願いいたします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます