第6話 齢四十のおっさん、まるまるまる!
『ランクマッチにいかない理由が一つもない。』
ポイント制が実装されているゲームで散々言われ尽くしているセリフである。
ランクマッチとカジュアルマッチの大きな違いはポイントの有無ではない。
明確な違いは、そのゲームをプレイしている人口の中で、自分が一体どのくらいの実力であるのかを可視化できる事である。
こう聞くと全く同じことを言っている◯泉構文じゃん!
と思う人も一定いるが、自分の実力を正当に評価される事など人生においては学生時代が最後と言っても過言ではない。
社会人など実力の定義がコミュニティによって曖昧なのだ。
コミュニケーション能力、学歴、心地の良い話し方。
どれをとっても不正解はあるが、万人に適用できる正解など無いのである。
対して、ゲームにおいての正解はただ一つ。
勝ちを積み上げること。
その一点において揺るぎない評価基準は、多くの人をランクマッチの虜にするのだ。
従ってランクマッチとカジュアルマッチではプレイヤーの熱量が段違いである。
長時間の集中したプレイに疲れたゲーマーは休憩にカジュアルを回し、仕事でくたびれた社会人は酒のアテに動画を見ながら試合を回す。
結果的にカジュアルマッチでは、負けそうになると投げやりなプレイが散見されるようになり、練習効率において、圧倒的な差が生まれるのである。
「こんだけ余裕で勝てるならランクに潜っても余裕だろう」
対人戦にビビっていた俺がアホらしい。
ひりついた試合になるのであれば、むしろ望むところである。
軽い気持ちでランクマッチのメイキングをかける。
今度はメイキングをかけた瞬間にマッチした。
「やっぱりランクの方が人口が多いんだろうな。楽しみだ。」
相手はまたしてもタケル。
カジュアルマッチで肩慣らしをしたおかげで圧勝である。
いや、前回のカジュアルよりも圧倒的に勝利した。
「めっちゃ余裕じゃん。ん?ランクポイントが増えていない、なんでだ?」
調べてみると、初めてのランクマッチは実力を測るための認定戦という試合が10試合設けられているようだ。
どうやら、この10戦の先生次第でスタートするランクが決まるらしい。
アイアン、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、エメラルド、ダイヤモンド、マスター、グランドマスター、チャンピオンズ
NFCではこの10段階のランクが存在する。
認定戦の成績によっては最低はアイアン、最高はゴールドからスタートするようだ。
そこからは一定ポイントを積み上げるごとにランクが昇格するというシステムだ。
「いっちょゴールド目指して暴れちゃいますか!!」
なんて軽口を叩きながら残りの9試合を消化する。
全戦全勝。
むしろカジュアルマッチよりも楽な試合ばかりだった。
「本当に余裕で勝ち続けるだなんて思わなかった。。。このゲームちょろいのでは?」
『齢40の格ゲーマー、プロになる!』
ゴールド 9000RankPoint
晴れて全勝ゴールドおっさん格ゲーマーの誕生である。
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こんにちは!お昼現在98PVです!!
もう少しで100PVなんです!
応援も7つ頂きました!
本当に本当に感謝感謝です!
夜勤明けでも話をかけたのは皆さんのお陰です。
これからもよろしくお願いします。
砂糖甘彦
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