第3話 積乱雲は白い
兄ちゃんの部屋なんて入ることないんだけど、
なっちゃんの話たことが本当なのかなって
聞いてみたくなって。
「なんだよ!風華、邪魔すんな!」
「、、、。」
「どした?元気ないぞ。食い過ぎて腹でも痛いのか?」
デリカシーのない兄だ。
私はなっちゃんの事を話した。
「ああ。知ってた。夏華も可哀想だよな。
おばさんがおじさんへの当てつけで
夏華にのめり込んでさ。」
「なに?おじさんへの当てつけってさ?」
「うん?いや、何でもない。お前はまだ子供だから知らなくていい話。
とにかくだ、最後の島なら思いっきり一緒に遊べ、妹よー。お前にはそれしか能力がない。」
「ばーか!!足臭の癖にーーっ!」
にいちゃんの言ってたおじさんへの当てつけってなんだろう。
聞いてはいけない気がした。
それからはなっちゃんととにかく遊んだ。
学校のプールにも毎日行ったし、蝉やカブトムシをとったり。
ばあちゃんがお弁当を持たせてくれたから
冒険だー!って島を歩き回った。
おばちゃんはなっちゃんに言った。
「日焼け止めはちゃんと塗ったの?
東京に帰れば、真っ黒に日焼けした女の子なんてみっともないんだからね。」
なっちゃん、日焼け止めを真っ白に塗ってた。
それが白過ぎて、空の入道雲と何処かへ行ってしまいそうだった。
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