第5話 寝取られ

 夜、アルマが自分の部屋へとアキラを呼び出した。


「アキラくん、今日もアレお願いね?」


 部屋に来たアキラをちらりと見ながらそう言う。


「アレ、ですね」


 2人とも言葉にするのは小っ恥ずかしくアレと口にするそれはハグのことだ。


「その前にさ、もう一個お願いがあるんだけど」


「何ですか?アルマさん」


「それ、そのアルマさんっていうのと敬語やめて欲しいなーって、ソフィにやるみたいな感じでさ」


「まあ、ソフィとは出会いが出会いですから、でもそういうことでしたらそうします」


「そっありがと、じゃあしよっか」


 手を広げアキラを迎え入れる準備をとる。

 それに対しスッとアルマの胸に飛び込むアキラ。

 アルマの手がいやらしくアキラの腰周りを触る。


「アキラくん...名前呼んでくれない?」


「アルマ...?」


「あっ、それ最高、耳が幸せ〜」


 その時突然ドアがガチャリと音を立てて開けられた。


「おーい、アルマー明日め...し...?嘘だろ、お前ら」


 ソフィが目を開けながらショックを受けていた。

 それを見た2人はスッと体を離しすぐに弁解を始める。


「あ、いやソフィこれは違くてね?」


「これが寝取られ?俺アキラと結構仲良くなったと思ってたのに...心臓がキュッとなって苦しい、なんだこれ」


 自分の胸を抑えながらアハハと苦笑しながらふらついている。


「本当に違うの、なんて言ったらいいかな、アキラくんをここに住ませてあげる条件として私とハグしてもらうのを条件にしてるの」


 ソフィの様子がおかしくなっていたのでアルマは焦って早口で説明を始める。


「条件...?」


「そう条件、それでさこの家はソフィのものでもあるわけだからアキラくんさえ良ければ、その...」


 そう言ったアルマの視線の先には少し正気を取り戻しつつあるソフィがいた。


「えっと、大丈夫だよ?」


 その言葉を聞いた途端ソフィがアキラに対し飛びかかった。

 がっしりと体に手を回しその勢いのまま2人ともベッドへと倒れ込む。


「お前本当に可愛いなぁおい、いい匂いもするしちょっと舐めていいか?」


 クンクンとアキラの首筋に顔を埋めながら匂いを嗅ぎ足を絡ませる。


「いやそれはちょっときもいかも、あと苦しい」


「んなっ、男にキモいって言われるとすげぇ傷つくな、癒してもらわないと」


 そう言うとまた抱きしめ直し、アキラの体を感じにいく。

 ソフィが強く抱きつくたびその大きな胸がアキラを刺激し、段々とアキラの興奮も高まっていた。


 その瞬間アキラとソフィの胸の一部が強く擦れた。


「んおっ...これやっば」


 一瞬体が離れ見つめあった後もう一度抱きつこうとするとアルマが止めに入った。


「はいーそういうサービスじゃないからね、ハグだけだよ」


 ソフィの首根っこを掴み引き剥がしその夜を終えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

多種族世界では男性が足りてないようです @suritati333

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ