第3話 同居人その2は天使?
「アキラくん何か欲しいものある?私何でも上げちゃうよ!」
一緒に住むことが決まりテンションが高いアルマがアキラを喜ばせようと話しかける。
「何でもって...女の人がそんなこと簡単に言わないでくださいよ、僕が胸揉ませろとか言ったらどうするんですか」
特に欲しいものもないので冗談まじりでアルマの発言にクギを刺そうとすると
「いいよ、はい!どうぞどうぞ」
胸をぷるっと突き出しながら喜んで言わんばかりの笑顔をしている。
想像と違う反応をされ困惑したアキラだったが目の前にある物に吸い寄せられるかのように手が伸びていく。
指の先がアルマの胸に当たりその形を変え沈み込もうとした瞬間玄関の方からガチャリと音が聞こえた。
アキラはびっくりして手を離し玄関の方を見る。アルマはため息を吐きながら舌打ちをしていた。
「ただいま〜あーまじ疲れたわ〜」
玄関の方で聞こえたその声の主の足音が段々と近づいてきて、リビングの扉を開けた。
「お、男!?あ?どういうこと?!」
その翼の生えた金髪の女はアキラと目が合うと驚き声をあげていた、アキラはどういった状況か分からず目をパチクリさせていた。
「はぁ〜タイミング最悪、おかえりソフィ」
テンションが下がった様子でため息をつく
「攫ってきたのか?おいアルマ、ついにやったのかお前」
「あーもううるさい、ちょっと説明してくるから、ごめんね?アキラくん行ってくる」
アルマはそう言うとソフィと呼ばれた翼の生えた女性を連れて他の部屋に行った。
「おい、アルマどういうことなんだ」
「今から説明するから、あーどこから言ったらいいのかな、とりあえず簡単に言うと迷子だから拾ってきてうちの執事になった」
「執事!?おいおいマジかよ、それであいつに嫌々やらせてんのか?」
「それがね嫌々じゃないんだよ、そこについても少し説明がいるか」
「ガチの執事ってことか、最高じゃねえか」
その後も少しの説明を経てアキラの前に戻った。
ーーー
「アキラ!うちの執事になるらしいな?ん?」
アキラの前に立ち、見下ろす形で腕を組む。
「アルマさん、何なんですかこの人?」
そんなソフィを見たアキラは変なやつを見たかのような反応を示す。
「あーこいつはソフィ、ちょっとお調子ものなんだけどうちの同居人」
「そういうこと、つまりお前のご主人様ってこと、ほらー呼んでみな?ご主人様って、ん?」
「ソフィ」
「ちゃーう、ご主人様だろ?」
ジタバタとしながら地団駄を踏む
「嫌だ、ソフィって呼ぶ」
「あー?執事だろ?てかお前可愛いな、おー」
顔を近づけて来てジロジロとアキラの顔を見る。
「な、ちょ、揶揄うのは辞めてよ」
恥ずかしさから顔を腕で隠す。
「そんな恥ずかしがんなって、いい顔してんだから」
「やめてって」
手を振りソフィを引き離そうとするとその手がソフィの手に当たった。
「ひゃっ」
「そんな感じで乙女なの?えーソフィ?」
逆に弱点でも見つけ嬉々としたアキラがソフィの首周りをくすぐるように優しく撫でる。
「ひゃあっ、ちょ、やめろ、おいコラ」
アキラに触れていいのかも分からずなあなあな抵抗しかできずアキラのくすぐり攻撃を防ぐことができない。
「えー何ー?さっきまでの調子はどうしたの?」
さらに調子に乗ったアキラがその手を脇腹に伸ばし触れるとソフィの様子が代わり、アキラをソファに押し倒した。
「流石の俺の理性様もここまで誘われちゃ堪えれねえよ」
舌舐めずりをしながらアキラの両手を押さえ上から見下ろす。
「え?え?なに?急に」
とんでもない力で押さえつけられ何が起きているか分からず混乱する。
「はーいダメだよー、一回落ち着きに行くよ」
アルマがソフィを抱き抱えアキラの上からどかすとそのまま部屋の外に連れて行ってしまった。
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