酔っ払いと変な家

 次の日。

 祭りを賑わいもすっかり失われ、すっかりと日常へと戻った町の中で。

 木こりを生業としている俺は昨日の消沈を抱えたまま、今日も切った木を売って仕事を終え、それから非番であった友人のナレットに誘われたので馴染みの酒場まで赴いていた。


「ぶひゃひゃ! それでトゥールお前、二千マニーのりんごなんぞ買わされて禁酒かよ! 相変わらずばっかだなおめぇ!」

「うっせえらい! だって店員の人、とっても綺麗だったんだぜ? あれは買わなきゃ損ってもんさ」

「それで買っちまったって!? まー気持ちは分かる。美人にでかい胸で押しつけられながらものを売られたら俺だって買っちまうさ。けど俺はそこにいなかった。そしてお前はぼったくられた。だから……ぶふっ! 傑作だこりゃあ!!」


 ナレットは酒を片手に腹を抱え、もう一方の手でバシバシとテーブルを叩きながら笑ってくる。

 揺れるテーブルに肘を突いたまま、俺は不満気に頬を膨らませ、雑酒というこの店一番の安酒を喉へと流し込んでいく。

 ……しかしやはりというか、この酒は非常にまずい。

 名前の如く、実に雑な苦さしかないこの酒は最早ただの酔い回し。俺も目の前の男のように、仕事終わりにまともな麦酒ビールを呷りたいもんだぜ。


「んでその女とはどうなったって? 金のりんごの礼に、それはそれは輝くような夜を過ごせたのか?」

「……りんごを食べたらすぐに消えちまった。まるで煙のように、どこへやらって」

「消えちまったか! 芯だけ残して! 四度目の恋は始まる前に終わるってな、ぶひゃーひゃひゃ!」


 もう一度顛末を話せば、またもや大笑いしてくるナレット。

 見せびらかすように酒を呷る非道な友人を大変強く睨み付けてやると、流石に悪いと思ったのか麦酒を奢ってくれた。流石我が友、それでこそ我が友だ。


「まあ気落ちするなって。お前はまだ十七、まだまだこれからじゃねえか。……それでお前、りんごの効果はあったのか? あの伝説の孤高の賢者様の力ってもんがよ?」

「ああ? ……ああ、あれね。聞いて驚け? なんと、なんと朝起きたらよ?」

「おう、起きたら?」

「なんと胸に変な痣出来てただけ! 二千マニーの痣だぜ! なぁ友よ、見てみたいか?」

「おう友よ。もしもお前が実は美女だったら、是非ともベッドの上で優しく脱がせてやりたいものだね」

「そりゃ残念! もしも俺が美女だったら、是が非でもお前の頬に真っ赤な痣を残してやったのにさ!」


 そう言ってやるとナレットは大きく笑い、そして俺も釣られて大笑いしてしまう。

 周りの視線などお構いなし。だが問題なんて微塵もない。

 ここは飲めや食せや騒げが上等の場で、他の連中だって似たようなもん。お貴族様みたいに飲みたいのであれば、こんな場末の酒場になんぞ来なければいいのさ。


「……ぷはあ! やっぱり麦酒ビールはいい! そこのお嬢さん、もう一杯おかわりで!」

「それでいい! 酒ってのはあらゆる別れの痛みに効くもんだ! 酔いで全部流しちまえよ! ああお姉ちゃん、きんっきんに冷えた麦酒をもう一杯追加でっ!」


 手渡された麦酒の残りを一気に飲み干し、どうだといわんばかりにジョッキを逆さにし、ぺろりと唇を舐めてやる。

 するとナレットは上出来だと笑い、追加の一杯を頼むとそのまま席を立ってしまう。

 

「……なんだおい、もう帰るのかぁ? 頼んだ麦酒ビール、俺が貰っちまうぞぉ?」

「ああ。なんせ俺には帰るべき家族がいる! 妻ってのはいい! 俺が誠意を忘れなければ愛も鞭も与えてくれる! 早くお前ともこの幸せを分かち合いたいもんだ!」


 ナレットは楽しげに俺の方を叩いて離れていき、通りがかった店員と軽く話すとそのまま店から去ってしまう。


「そうだ結婚したんだったなお前。嫌味かこの野郎ぅ……。いいから早く行っちまえってんだ! この幸せもんめぇ……」


 ったく、羨ましいことこの上ないねぇ。

 確か去年だっけか、あいつがあの可憐なアンジェリーナちゃんを捕まえたのは。

 昔は一晩だって一緒に騒いだってのによぉ。まあ昔っていってもまだ一年と少し、俺が酒飲み出してすぐのことだったか。

 やっぱり町の門兵は収入も良し。町外れに住む木こりなんぞとは別もんだよ。まったくもうぅ。


「いいさいいさぁ。俺は酒と結婚するんだぁ。どうせ女の子よりお酒が恋人なんだぁ」

「…………」

「あ、そこのお姉さん。良ければ俺と一杯……あー駄目? 好みじゃない? じゃあ仕方ない。どうぞ楽しい夜を」


 通りがかったおっきいお胸と薄いドレスのお姉さんに声を掛けてみるも、返ってきたのは実に鋭い眼光のみ。

 ああ、何て冷たい視線でしょう。回って酔いすら覚めて、逆に何かに目覚めちまいそうなほど。

 しかしあれだ。どうせ誘っても金なんてねえし、応じてもらえなくて良かったまであるな。


「……こちら注文の衣揚げになります。どうぞ」

「あんれぇ頼んだっけぇ?」

「先ほどお出になられたお客様からです。お代はもらっていますので」

「そっすか。そらどうもぉ。やっぱり持つべきものは友と酒だねぇ。もうお酒が恋人だっ」


 無愛想な、いや俺みたいな貧相な酔っ払いに愛想を振りまく気がないだけか。

 ともあれ態度は鉄仮面が如く。

 声も表情も一定無色な店員さんの去り行く背を一瞥しつつ、テーブルに置かれた揚げ物を口へと放り込む。

 熱々さくさくな金色の衣。咀嚼の度に心地好い音を楽しみ、味もまた香ばしく良し。

 そして口内を洗うように流し込む酒。この恵みが喉を伝う瞬間こそ、今生において何よりもたまらない快感だ。

 

 まさに神、そんな完全なる調和に食は進む。そして当然酒も進む。

 気がつけば五つほどあった衣揚げは影も形もなく、二杯も残っていた麦酒ビールも消え失せてしまう。

 ああ財布はすっからかん。追加はなし、店員さんは帰れとばかりにじっと見つめてくる。

 焼けたような茜時も終わり、空はすっかりと星の時間へ。

 時間的にそろそろ混雑しそうだし、座っているだけなのも居心地も悪いので早々に退散するとしよう。生憎よその席に混ざって酒を恵んでもらうほどの話術は持ち合わせていないもんでね。


「ごちそうさーん。今日も美味かったわー」

「……あの、私が言うのもあれですが、少しお酒減らした方がいいと思いますよ」

「やっさしー。でも悪ぃね、愛しい恋人を手放すわけにはいかないからさぁ」


 冷たい視線の店員ちゃんの一言を心に染み渡らせながら店を出る。

 それにしても、お酒を減らした方がいいかぁ。

 へへっ、可愛い女の子に気を遣われたのはいつ以来か。例え実質的な出禁宣告だったとしても渇いた心には染み渡るぜ。

 

 ゆらりゆらり、ぶらりぶらりと。

 なるべくゆっくりと、やる気なく帰路についていく。

 どうせ帰ったって待ってるやつなんかいねえんだし、こんな夜は適当に歩くのもまた一興。

 ああ、空き巣でもいたら別だけどな。盗る物なんざ俺にも見当が付かねえし、いつまで待たせても罪悪感なんて湧きやしねえ相手だけど。ひーっひっひっひっ!


「……あー、彼女欲しい」


 ちらりちらりと周りを見れば、男と女、女と女、あげく男と男まで。

 夜ってのは愛を浮き彫りにしやがる。だからこそ、失意の夜を過ごすだけの独り身にはきついもんだ。

 

 ある人は言う。もっと良い出会いがあると。

 またある人は言う。お前はまだ若いんだから、女なんざより楽しいことがいくらでもあると。

 そしてまたある人は言ってくる。お前はそういう星の下に生まれた、恋や愛には縁遠い男だよと。


 どいつもこいつも分かってない。俺よりも俺を分かってるけど、それでも分かっちゃあいない。

 俺は今、彼女が欲しいんだ。そこに理由なんてなくて欲しいから欲しい、ただそれだけなんだ。

 飢えていると言ってもいい。渇いているとさえ表現出来る。

 魔法の才能があった妹は出ていっちまうし、歳上の友人は早々に結婚しちまった。

 対して俺はただ木を切っては売るだけ! 酒だけが潤いを与えてくれる人生! あーまったく素晴らしい! 我が妹が愛想尽かすのも当然さ!


「……寂しいなぁ」


 こんな情けない呟きは何もない夜空だけが聞いてくれて、けれど返答はなく溶けて消えていくだけ。


 ああ、思えばあのりんごを買ったのだって何かが変わればいいと縋ったのかもしれない。

 祭りなんてただの言い訳で、もしかしたら何者かになれるのであればと、平日の素面シラフで相手が老人でも買っていたかもしれない。


 しかし今日の心はいつになく饒舌だ。

 やっぱり二千マニーの損失は自分でも意外なくらい響いているのかも……ああいや分かった、思い出した。俺が明日、十八の誕生日だからか。


 まあどうせ、これからだって何が変わるわけもなし。

 帰ってさもしいベッドで一晩寝て、それから起きればどうせこんな感傷なんてさよならだ。

 俺は自由に、生きたいように生きられればそれでいい。心の隙間に冷たい風が吹く時もあるが、基本的にはそれだけで結構だ。

 とりあえず、今はこのもやもやぐしゃぐしゃをなくすため、或いはどうにか誤魔化すために酒を買おう。なーにこの町一番の安酒程度なら、今の俺の懐でも恵んでもらえるさ。


 都合のいい決意と切り替えだけは早く。

 それと木を切るのが他より少し達者なだけが俺の強みだと。

 誰も褒めちゃくれない強みを、今日だけはと俺一人の心の内で密かに褒めつつ。

 帰り際にやっすいやっすい、酒場で飲んだ雑酒よりも苦いだけの酒を買って町から出ていく。

 

 明かりなんて微塵もない、いつもどおりの夜道。

 腐っても町の側。この辺りの獣はどうせ人の縄張りに手を出さないし、山賊なんて出てきやしない。仮に潜んでいても俺なんぞを浚って売る労力なんて使いたくはないだろう。

 

 何とか買えたボトルを口を付け、鼻歌混じりの高揚感に浸りながら夜道を歩く最中。

 俺はそれを見つけ、ふと首を傾げてしまう。何故ならそこに、毎日通るこの道の見慣れぬ分かれ道を。


「……あー、こっち、あっち? まあ、あっちで」


 真っ直ぐであればいつもどおり。

 右に現れた道はよく分からない。


 大げさに交互に指を差し、そして酒を一口呷って口を拭いてから決めた道──つまりは右の脇道へ。

 この夜の最中にせっかくの誕生日を迎えるんだ。せっかくなら、少しは違う道を進んだって人生に罰は当たらない。

 それにどうせ、こんな分かれ道に大差はない。こんな地元で出る先を知らないなんて、そんな奇跡は起こらないだろうさ。


「へい、へい、ほー。光の雫はどこへやらー……あー、ん??」


 どうせ誰もいないしと、最早ボトルの口をマイク代わりに歌いながら歩んでいると。

 続いていた道は唐突に終わり、なんと大きな扉の付いた見慣れぬ大岩が鎮座しているではないか。

 これには俺もびっくり。愛しい恋人であるボトルをついつい落としてしまいそうになってしまう。

 扉なんて付いた、まるで家みたいに珍妙な岩なんて見たことも聞いたこともない。そもそもこんな観光名所があるなら、もうちょっと噂になっていてもおかしくないだろうに。

 

 ……もしやどこかの魔法使いの別荘で、俺は酔いが回りすぎて迷い込んでしまったとか?

 つい昨日、エルフなんてものに化かされた後なんだ。今日は酒と酔いも付いてるのだし、魔法使いなんてものに出くわしても驚きなんてしないさ。

 

 しかしそれならいけない。実によくない。

 いらぬ真似をして魔法使いの怒りを買うなど、それこそ一生を棒に振るだけの愚行。ある愚者は全裸のまま体を石に変えられ、砕け散るまで永劫笑い者にされたとか。

 故に俺が取るべき選択は間違いなく一つ。このまま回れ右をして、そのまま何も見なかったことにする。それが最も利口で、平々凡々な木こりらしい選択のはずだ。


 ……けれど今はそうしたくはない。

 こんなせっかくの日に、こんな良い気分の時に、凡人らしい安牌な選択なんて取りたくはないものだ。


 まあこんなしみったれた町のはずれで魔法使いと出会えるなんて、そんな奇怪なことあるわけがない。

 ……けれどもしも、もしもだよ?

 もしもこの謎の岩が本当に魔法使いの住処だとしてだ。

 そして何かの間違いで気に入られちゃって、何かを学べれば、或いは上等な魔術具の一つでも貰えたりなんてすれば。

 それこそ俺の退屈で平坦な、それこそ木を切って酒を飲むだけの人生も少しは変わるかもしれない。

 

 嗚呼、こんな浅ましい欲を出すなんて。

 我ながら今日は相当に酔いが回っちまってるらしいね。空きっ腹に何杯も飲んだからかな。


「ええいままよ。……んぐっ、誰かいませんかー」


 全ては酒で言い訳をと。

 残っていた酒を全部喉へ流し込み、空のボトルを一応の武器としつつ、その扉を三度ほど叩いてみる。

 

 こん、こん、こん。

 ……もう一回、こん、こん、こん。

 

「……ははっ、どうやら留守らしい。ついてないね、我ながら!」


 大きく深呼吸した俺は、安堵と落胆の混じった軽口を叩きながら抑えきれずに空笑いしてしまう。

 音もなければ魔法もない。どうやらここには誰もいないらしい。

 あー残念だ! だけど誰もいないなら仕方ない!  是非とも来た道を戻り、この大岩のことなど酔いと共に忘れ去り、くだらない日常へと帰るとしよ──。


「ひひひひ……あっ」


 今回はご縁がなかったことに。

 そう自分に言い聞かせながら右足を後ろにやった、まさにその瞬間だった。

 ぎぎぎぎ、と重い音を立てて開いてしまう扉。

 その先は真っ暗で、誰もいないというのに、扉自体が歓迎しているかのようにひとりでに。

 つい周りを見回してみるが誰もいない。つまりは種も仕掛けもありませんと、そういうわけか。


「……おじゃましまーす」


 刹那で色々考えてみたものの、選んだ答えは一寸先の闇へとダイブすること。

 まあ開いてしまったのなら仕方ない。ここまできて、魔法使いの誘いを受けないのは逆に失礼にあたってしまうかもしれない。何より俺の酔いは、未だぐるんぐるんに回ってしまっているのだから。

 

 恐る恐るに左足から真っ暗な先へ足を突っ込み。

 まず通り抜けた片足の感覚があることに一安心して、それから勢い付けて全身でくぐり抜ける。

 

「うわお……」


 そこに広がっていたのは暗闇とは無縁である、橙の優しい光に充たされた大空間。

 まるでどこかの貴族の書庫みたいな書物と本棚の数。中央には螺旋を描いた階段があり、上にも下にもいくつかの部屋へと繋がる扉が設置されている。

 まさに魔法使いの住処。月並みだが、俺の語彙力ではそれ以外の表現が出来ない場所。少なくとも、俺の住んでいる小さくぼろい木の小屋とはまるで違う、未知に溢れた日常の外である場所だった。


「すっげえ……。こういうの、売ったらいくらになるかな……」

『さあのう。ま、一冊で一年くらいは暮らせるんじゃないか?』

「うわぁ!?!?」


 主がいるかいないかの確認など忘れた俺は、先ほどまで頭をぐわんぐわんにさせていた酔いすら忘れてしまい。

 宝の山を前に空のボトルなんぞ床に転がし、一番近い本棚の手頃な本に手を伸ばそうとして。

 そして耳元から発されたその声にびくつき、脇目も振らずに出口へと飛び込んだのだが外に出ることは叶わず。さっきは感触なく通してくれた黒は俺を弾き、この空間からの脱出を許してはくれなかった。


「すみませんすみません! 盗む気はないんです! 悪気はなかったんです! なんでなんで、出られない……!?」

『別に取って食ったりはせんのだが。まあ帰す気はないし、腹の内に収めたというのは正しいかもしれんがのう』


 何度黒を叩いても叩いても、この空間からは抜け出すことは出来ず。

 最早謝るしか生き残る道はないと思い、スゲーナ・ウソダケドが伝えた最上の謝り方で全力で頭を地に付け必死に許しを乞い続ける。

 

 そんな俺に掛けられたのは不届者への罰、体を石に変えたり全身から血が吹き出すような魔法ではなく。

 むしろそんな意志の欠片もなさそうな、怒りも敵意のない呆れ声。


『ほれ、頭を上げい。招いたのは俺なのだし、別に怒ってなどおらんから』


 そう言われて、依然膝はつきながら。

 ゆっくりと慎重に頭を上げていき、そしてその双眸は男の声の主をはっきりと視認した。

 そこにいたのは宝石の付いた杖を突き、それはそれはご立派な顎髭を蓄えている、半透明な青い光で全部を編まれたご老人。

 その風体はまさに魔法使い。或いは伝説の孤高の賢者、スゲーナ・ウソダケドの語られている晩年の姿のようだった。


『さてさて、まずはようこそという歓迎を。そしてその繋がれた運命に心からの謝罪を』

「しゃ、謝罪とは……?」

『ここが役割を果たすということは、ついに恐れていた刻が訪れてしまったということじゃ。出来れば何事もなく、この場所は忘れ去られて欲しかったものじゃが、現実とはそう都合よくはいかんらしい』


 立派な顎髭を触りながら、困ったようにそう話してくるご老人。

 何一つ理解は出来ないが、それでも勝手に家に入ったことを咎められるという雰囲気ではないらしい。

 しかし気は抜けず。何一つ危機は去っていない。

 このご老人が何者かは知らないが、魔法使いであることに変わりはないはず。俺の言葉一つで怒りを買えば、たちまち俺は蛙にでも変えられてしまうだろう。


『では手短に。我が名はミニDディー。かつてスゲーナ・ウソダケドとその九十八番目の妻、ロレーヌによって生み出されたこの場所を管理、補佐する自律思考端末じゃ』

「スゲーナ……って、えっ、まさか伝説の孤高の賢者様っ!?」

『然り。そしてここは君が力を養うため、我が何とか遺した束の間の宿。その名を最低限度の備え場チュートリアルーム。君が君であるために、今日から来たる日まで清く正しく学ぶための場じゃ』

 

 老人の口から出てきた名。

 この世界では誰もが知っているであろうその名を耳にした俺は思わず大声を上げてしまう。

 そんな俺の様子が面白かったのか、ミニDディーと名乗った老人は不敵な笑みを浮かべながら、持っていた杖で地面を叩き音を鳴らした。


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