第4話
ようやく退院が決まった。「ようやく」って言うと、川谷さんとの日々が退屈だったみたいに聞こえるけど、そんなことはない。絶対に。
「いやぁ、良かったね、啓一君」
川谷さんは、僕が退院出来ることを、案外喜んでくれた。「案外」って言うと、寂しがって欲しかったみたいに聞こえるけど、そんなことはない。多分。
「ありがとうございます。川谷さんの方こそ、今まで色々と僕の面倒をみてくれて、ありがとうございます」
「それが私のすることなんだから、お礼なんか要らないよ。君も、お疲れ様。これからも、変わらず、頑張りなよー」
「はい!」
「……」
「……」
「「アハハハハハ!」」
二人とも、耐えられず、爆笑してしまった。こんな会話をするのも、もう、これで4回目。僕と川谷さん。僕たちは、まるで交わることのない平行線のようだった。それは、マイナスな意味を含んでいるんじゃない。平行だからこそ、同じ距離・関係のまま、変わらず、僕たちは存在出来る。線と線が交わってしまえば、二線は互いに遥か遠くへと離れていってしまう。けれど、平行だったら、同じ距離の先には必ず相手がいる。関係が変化しないことを淋しく思うかも知れないけど、そんなこと、僕は望めないし、この関係は、今のままで良いような気がする。これが、僕の、自分なりの結論だった。
それに、幾ら退院をしたって、気付けば、病室で川谷さんに会えているような予感が、僕の中で止まない。これは、彼女への甘え、なのかも知れない。けど、そんな感情を抱いていても、あの人は気にせず、その優しさで僕を包み込んでくれる。僕にとって、恋は、心地の良いものだった。川谷さんは、色々と僕に教えてくれたけど、今は少しだけ反論したい気分だ。こういうところが、やっぱり子供っぽいんだろうけど、恋はそんなに悲観するようなものじゃない気がする。
だけど、そんな言葉は口には出さない。いや、違う。出さないんじゃなくて、出せないんだ。やっぱり、僕は子供なんだ……。
そんなことを思って、川谷さんの淡い表情をうかがいながら、僕は顔をガラス窓へと向けた。
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啓一君は、今年の夏で16歳になった。その時、お祝いとして、大人なブランド物の腕時計を、彼にプレゼントしてあげたのも、もう何だか懐かしい。
啓一君が出て行った後の病室は、見慣れているけど、その度に一日ぐらいは寂しくなる。啓一君を担当している時間が一番長かったから、私の一日に大きな空白が生まれたような感覚になる。
そう、啓一君は、今日の午前中に退院した。お母さんが迎えに来ていて、私に挨拶した後に、啓一君を連れて帰っていった。啓一君は、しんみりとした、陰鬱な表情だった。ああ、やっぱり、君も寂しいのか、啓一君。病院の入り口での別れ際、啓一君は、私と目を合わせている時と、そうでない時で、顔の明暗を使い分けていた。寂しいなら、そう言えば良いのに。やれやれ。そこは、相変わらず、啓一君らしかったので、スルーしておいた。
でも、何だか、時が経てば、いつものように、この病室で二人で話していそう。そういうのは、不謹慎っていうか、本来良くないことだし、啓一君の不健康を願っている訳ではないけれど、私たちの間にはそんな意識があるように思う。実際、啓一君は、結構入退院を繰り返している子だから、またいつか帰ってくる(?)んじゃないかって、私は、心の中で秘かに思ったr・・・・・・※※※※※※※※※※KKKKKKKKKK※※※※※※※※XXXXXXFFFFFFFFX※X※X※X※X※※XXXX?????????・・・・・・・・・※※※※※※※※※PPPPPPPPPPPPPPP・・・・・・・XXXXXXXXX\\\\\\\\
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