第4話 こうなりゃやけだ!体を張るしかねぇ!!
スライムを抱えたまま、ダンジョンの最奥に入った。
ここにはダンジョンのコアと、ダンジョンのフロアが立体的に描かれたモニターが置いてある。
モニターはパソコンのような機能を備えており、何故かインターネットにも繋がっている。
気が付くと棒大型検索サイトで「ダンジョン 運営 方法」と調べていた。
当然ながらそんな情報はどこにも書かれていない。
あるのはダンジョン攻略に必要な武器や道具を扱う通販サイトと、怪しげな情報商材を扱うサイトばかりだった。
現在のDPは380ほど。
ダンジョン資源がまずいなら資源の美味しい魔物を召喚すればいい話だが、あいにくこのダンジョンはレベルが低いせいでスライムしか召喚できない。
しかも魔物を一体召喚するためには10DPが必要だ。
不用意に召喚すれば一瞬でDP尽きてしまうだろう。
時刻を確認するといつの間にか朝の7時になっていた。
DPは1時間につき1ずつ減っているため、あれから9時間経過していることになる。
つまりあと15日ほどで現状を打破しなければ、僕はダンジョンもろとも消滅してしまうだろう。
「なぁ~スライムさん~僕はどうしたらいいと思う?」
抱えたままのスライムはぷよぷよと動くだけで一言も話さない。
先ほどから抱えているが、スライムはひんやりしていて抱き心地もかなり良い。
もしスライムを一般人向けに売ることが出来れば、大儲けできるのではないか。
そんな
それから暇つぶしのために、以前からよく見ていた動画サイトを開いた。
そこにはゲーム実況や商品レビューなどを行う動画や配信などが表示されている。
この体になる前はダンジョンの情報を得るためにダンジョン初心者に向けた解説動画や戦闘方法のレクチャー等をよく調べていた。
そして何気なくクリックしたあるダンジョン配信にくぎ付けになった。
「みんなぁ!アイドル探索者の澪だよぉ~」
:澪の配信きちゃ!
:毎秒配信して
:今日の生きがい
:この配信のために生きてきた
チャンネルの名前は澪のダンジョン配信チャンネルという名前で、週に一度こうしてダンジョン内で配信活動を行っているらしい。
チャンネル登録者数は100万人を超えていて、配信の同時接続数は2万人を超えている人気チャンネルだ。
「これだ!!!!これを参考にすれば!!!」
その時ダンジョンの運営を持ち直す画期的なアイデアが浮かんだ。
それからしばらくして、今朝がたにある準備をしていたことがようやく完了した。
ダンジョンのモニターには配信準備中と書かれた画面が表示されている。
:なんだなんだ?
:幼女の香りを聞きつけてきました。
:↑お巡りさんコイツです
「みなのもの!初めましてなのじゃ!」
:のじゃロりだと!!??
:めっちゃかわいい
:何処ここ?ダンジョン内?
「わしはダンジョンで生活しておるユリア・フィールというものじゃ!今後ともよろしく頼むじゃ」
画期的な方法、それはダンジョン配信者として人気になり視聴者の探索者に来てもらうことだ。
羞恥心と戦うという体を張ることにはなるが背には代えられない。
あの配信から数日経っている。
その間生きていた頃の家に戻り、降ろせるだけの金を下ろしてから配信機材を用意した。
おかげですっからかんになってしまったが、これで配信が出来る。
「みなのもの何か質問はあるかの?」
:ここは何処?
:何歳ですか?
:今後の目標は?
「では一つずつ答えていくぞ?」
「まずここは渋谷にあるダンジョンの奥地じゃ!」
「スライムしかおらん場所じゃが割と快適だったゆえ、わしの住処として利用しているわけじゃな」
:何処だっけ?
:確か数か月前に発見された鉄と銅しか取れないクソマズダンジョンだったような
:あぁあれか!今は誰も行く人が居なくて、警備の人もいない幻のダンジョンじゃん
:探索者には変わり者が多いと聞くが、この幼女もなのか・・・
ちなみにダンジョンで生活している人は、珍しくなかったりする。
専業の探索者はそれこそ数か月単位で潜ることも珍しくなく、その人たちのためにダンジョン内にキャンプが存在している場所もあるくらいだ。
「次に年じゃが・・・こう見えて17歳なのじゃ」
:ちっちゃ!
:小学生くらいにしか見えない
:ダンジョンの呪いかな
「今コメントしたもの、正解じゃ」
「わしは元々超絶美人の女子高生じゃったが、呪いのせいでこうなったのじゃ」
:自分で言ったぞコイツ
:つまり合法ロリと・・・じゅるり
:↑未成年だからどっちみち犯罪だぞ
:ロリコンが居て草
「最後に目標じゃが、このダンジョンを運営して誰もが訪れる活気のあるダンジョンにすることじゃ!」
:どういうこと?
:ダンジョンを運営・・・?
「わしにはダンジョン操作というスキルがあっての、このダンジョン限定じゃが魔物を好きに配置したり、フロアを追加したりできるのじゃ!」
あの謎の男にはダンジョンマスターになれと言われただけで、秘密にしろとは言われていない。
もし文句を言ってきたら、あいつの存在もろとも道連れにしてやろう。
:何その神スキル!?
:でもそのクソダンジョン限定か・・・
:嘘でしょ?またまた・・・
「嘘じゃないわい、ほれ」
僕はそばに置いていたスライムを抱えて、カメラに近づいた。
:いきなりガチ恋距離かよ・・・
:はわわ、シャツの隙間ががが
:マジでスライムじゃん
:魔物が人間襲わないところ初めて見た
「そういうわけじゃ、今後はダンジョンの運営をしながら配信を続けていくから、
みなのものどしどしこのダンジョンに足を踏み入れるのじゃぞ?」
:普段なら行かないけど、この幼女に会えるなら・・・
:↑ロリコンです捕まえてください
:人間が運営するダンジョンか・・・興味あるかも
「それじゃあまたの、みなのもの」
:ユリア様さよなら
:↑様付け良いね、今後はこれにしよう
:これは伝説の始まりの予感・・・
その夜、キャラ付のためにのじゃ口調にしたことを後悔した。
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