第28話 インターミッション

[個人のプライバシー保護のため、音声に加工を施しています]


 ――悩んでいると?

「はい、最近皆の私に対する扱いが良くないんです」

 ――例えば?

「誰も私の心配をしてくれない?」

 ――だって馬鹿らしいじゃないですか?

「え?」

 ――ああ、すいません。マイクが……皆さん心配していましたよ?それぞれの差はひどくありましたけど。

「え?」

 ――でも、シズ……子さんは大変お強いんでしょう?

「ええ、地球人ごときでは何人束になっても私に勝つことは出来ないでしょうね。私が修めているのは地球由来の武術だけど、今より700年も進歩している、宇宙最強の格闘術なの。私は二度もギャラクシーチャンピオンになったわ」

 ――でも、相手が武装していたら?

「そういう時は、変し……何でもない。対応手段はある。三秒で肉塊よ」

 ――そういうところじゃないですかね?

「何が?」

(恐いって、爪仕舞ってよ!隠す気あんの?)

 ――ところで近頃、ファッションに対する意識が変わられたとか?

「ええ、それも悩んでて……」

 ――初耳だよ……ですね

「ミステリアスで妖艶な大人の猫を意識しろと、本部から言われていて、いろいろアドバイスもらった結果の和装?浴衣?だったんですけど」

 ――そうでしたね。数少ない大成功だったと記憶していますよ

「え?」

 ――最近の攻めている衣装も好評ですね。かなり若作りな気はしますけど

「え?」

 ――肩出し、腿出しは当たり前。へそ出しに水着は半ケツで尻尾出し。こないだは全裸。攻めすぎでは?

「え?」

 ――髪型も、自然に纏めて後ろに流す、赤い組み紐がおしゃれポイントでしたね

「はは……まあ、正直似合ってるんじゃない?とは思ってましたね」

 ――それが、ポニテ、三つ編み、ツインテ、こないだは猫耳カチューシャ。何を目指してるんですかねえ?

「え?」

 ――シズ子さんは、愛の戦士としても有名ですが

「……そうなの?」

 ――お好きな方がいらしっしゃるとか?

「山田ゆうきさんです!」

(ヤダモー、シズカ恥ずかしい……)

 ――おっと、放送事故ですね

(ゆうき、見てられない茶番だけど、いちおう匿名相談所という設定らしいから!)

 ――おっと、事故は重なるものですね!ADさん、あの子達にアレ飲ませといて

(ハーイ)

(やめて~スイレンちゃん)

「もうグダグダじゃない?」

 ――では最後の質問です

「いや、相談所でしょ?」

 ――このお話をどういう方向で進めていきたいですか?ダークサスペンス?異世界転生?

「そりゃ、私と山田の青春百合コメ?」

 ――ハイ、聴いてみてバカみたいでした~。では皆さん、また来週お会いしましょ~

「アンタが生きてたらね……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る