第2話:ケチャップ・マヨネーズ。
恐る恐る部屋に入ると中には雑誌社の人なのか、おっさんが三人と、でシルバー
グレー色していて頭はツルツルで目のデカい、口の小さいやつがソファーに座って
いた。
おっさんは三人どう見ても人間の男・・・ってことは異星人はとうぜん、このグレーのやつ。
ソファに座ってるから分かりにくいけど、身長も俺より少し低いくらいか。
俺が小野田って名乗ると、さっそく一人のおっさんが即、立ち上がって対応して
くれた。
「あ、小野田様、このたびは、ご当選おめでとうございます」
「私は編集社の谷川と申します」
「ご紹介しておきますと私の右にいらっしゃる方が総理大臣の吉川様です」
「そ、総理大臣?」
ははあ、それでホテルの警備が厳重だったんだ。
「はい、いちおう異星人さんは国賓でいらっしゃいますから」
「国を挙げてのおもてなしなんでございますからして・・・」
「あとの方はSPさんです」
「そして、こちら・・・今回、この企画に参加してくださった異星人さんです」
編集社の人はソファに座ってる女の子を紹介した。
「よろしく・・・私、ケチャップ・マヨネーズです」
(ケチャップ?・・・マヨネーズって・・・ソースみたいな名前)
「あ、どうも俺
そう言って俺はペコッと頭を下げた。
異星人ってなんでみんなこう言うやつなんだって思うよね、いわゆるグレーって
よいばれてるやつ・・・常識だよね。
まあ、想像してたとおりだよ。
ケチャップって名乗った異星人、定番のように人間じゃないよって証拠みたいに耳が尖ってる。
しかもちっとも可愛くないし、不気味だし・・・。
まあ、無害だろうとは思うけど・・・。
エイリアンみたいな異星人だと卵を体に産みつけられて腹を破って出てこられたら
たまったもんじゃないからね。
「あのケチャップさん日本語は普通にしゃべれるんですね・・・」
「頑張って覚えたよ」
「地球に来る前に日本のアニメで日本語勉強したの」
(お、偉いじゃん)
「では、さっそくですが企画では、異星人様は一ヶ月間、当選者様の家で過ごす
という企画ですので異星人さんは本日より小野田様の家で生活することになりますので・・・それでよろしいですか?」
「え?は?・・・あの、そういう企画なんですか?」
「ここで親交深めて、おしゃべりして写真撮ってサインとかもらって終了、とか
じゃないんですか?」
「いえいえ異星人様のたってのご希望でして・・・当分、当選者様の家で
お世話になるとそうおっしゃってますが・・・これは星を代表しての親交ですので
当選者様には拒否権はございません・・・お分かりでしょうか?」
「お分かりって・・・断れないってどういうこと?」
「私からもよろしく・・・なんせ国賓でいらっしゃいますから粗相のないよう
お願いしますね」
って総理大臣からもお願いされた。
ってことで異星人、ケチャップ・ヴァンピールは俺の家に預けられることになった。
小一時間くらいの交流だけだって思ってたのに、俺の家に来るってか?
どうすんだよ・・俺が異星人の面倒見るってことだよな・・・。
ふだけど異星人って何食うんだ?
つづく。
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