トマトジュースなんかじゃ誤魔化せない。
猫野 尻尾
第1話:異星人との交流企画。
注・この作品は性的要素を含みますので、苦手な方は読まずにスルーしてください。
よろしくお願いします。
俺、
年は23歳。
現在、一人暮らし。
某、広告会社に勤めてる。
広告会社って言っても、この不景気、注文があればなんでも引き受ける何でも屋に
なりさがってる家内工業。
迷子の猫でも、ズズメバチの苦情でも、ちょっとした大工仕事でも複雑じゃない
かぎり承りますって感じ。
俺の親父とおふくろは今は海外にいる。
親父の仕事の転勤でドバイへ移住して行った。
おふくろは、俺を放ったまま親父について行ってしまったから、今は広い家に
俺ひとりで暮らしてるってわけ。
そういう親だから、あまり当てにはしていないし両親がいなくても別に
不自由は感じない。
むしろ一人のほうが気楽でいい。
で、ことの発端はここから・・・。
俺には昨日まで付き合ってた彼女がいたんだ。
名前は「
俺は桃香にフラれた・・・たぶん別れる原因は俺にあったんだろう。
桃香は適当な俺に嫌気がさしてついていけなくなったんだろうな。
で、俺はひとりぼっちになってしまった。
彼女が突然いなくなって、俺は心にぽっかり穴が空いた。
なにかで気持ちを紛らわそうと、次の日、俺は毎月購読してる雑誌の企画に
応募した。
俺の趣味は神秘的、謎、不思議なものが好きで宇宙や異星人なんかを扱った雑誌
を好んで読んでいた。
昔、UFOを見たとかって大騒ぎしてた時代もあったが、今は実際にUFOは
存在してるし異星人もこの地球に普通に来ていて特別珍しいことでもなかった。
でも、まだ異星人との交流は、はじまったばかりで一般人が異星人と話せる機会は
ほぼなかった。
その購読してる雑誌の企画で異星人との交流についての記事が載っていて
《抽選でお一人様に限り、異星人と会えて話ができる》って記事を見つけた。
異星人と仲良くできるのか?
めったにないチャンス・・・。
そう思った俺は一も二もなく、その企画に応募した。
当選者はたった一名・・・たぶん俺はくじ運がないから絶対当たらないかもなって
思ったけど、でもわずかでも可能性があるなら期待したってバチはあたらないだろうって思った。
それから一ヶ月・・・俺は、異星人と会えるって企画のことをすっかり忘れていた。
そしたら、俺のスマホに連絡が入って
「こちら谷川と申しますです・・・おめでとうございます」
「今回の異星人との交流企画に、小野田様がご当選なさいましたのでご連絡差し
上げました」
「つきましては・・・うんぬん」
編集社からだった。
きっちり忘れてた・・・当たったんだ・・・まじでか?
それで某日某月、ホテルにて異星人さんと会えることになった。
当日、俺は指定されたホテルに行ったんだ。
ホテルに着くと、以外と警備が厳重。
SPらしき黒ずくめの人たちがたくさんいた。
異星人ってだけで、物々しいなって思った。
ちょっとビビりながら受付行くとボーイさんが指定された部屋に案内してくれた。
恐る恐る部屋に入ると中には雑誌社の人なのか、おっさんが三人と、でシルバー
グレー色していて頭はツルツルで目のデカい、口の小さいやつがソファーに座って
いた。
おっさんは三人どう見ても人間の男・・・ってことは異星人はとうぜん、このグレーのやつ。
ソファに座ってるから分かりにくいけど、身長も俺より少し低いくらいか。
つづく。
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