第2話 魔法と来訪者
やってきたのは姉のウェネ。
すぐ怒るし自慢しいの為、僕は結構苦手だ。
「いいよ、まだ授業終わってないし。」
嘘をついた。授業はもう終わっている。
姉の言う事を聞くのは負けた気になって嫌だ。
魔法に興味はあるが、付いてきて欲しいと言わせたい。
「そういうのいいから!時間無いの!」
全力で抵抗したが、結局は引っ張られて連れて行かれる。
「屋敷内で魔法使っていいの?」
「中庭に行くわ…というか、久しぶりに見たけど大きくなったじゃない。私の方が大きいけど。」
(見れば分かると思う。)
「魔法が使えるようになったのよ!すごいでしょ!」
「別に…」
「…早く行くわよ。」
中庭についた僕は興味なさげにして眺めていた。
姉は地面の石に手をかざして力んでいる。
姉から威圧感を感じている。もう少し離れようとした時だった。
―――パキッ―――
破裂音と共に石と周辺が吹き飛んだ。
――これが魔法か!
どうよ!と言いたげな顔をしてきた姉に
「姉様はすごい。綺麗で、優雅で、上品で、完璧です。」
精一杯のリップサービスをした。
多分初めて姉を褒めたのだが
「はぁ?」
その一言だけが返ってきた。
***
調子をよくした姉は何でも聞いてきなさいと上ずった声で言ってくる。
凄く癪に障るが魔法について質問してみた。
「人によって魔法は違うの、私は見せた通りの物で、手から発動しているわ。
使うと疲れる。使い続けるとマナ枯渇になって危険よ。マナは使えば減るし、眠れば回復するわね。」
「…マナ枯渇って何?」
「体の中のマナが無くなって生きていけなくなるのよ。そうなる前に意識を失うらしいけど。まぁ、ラエルは大丈夫よ男だし。魔法使いは女しかいないじゃない?だから、私が守ってあげる。」
「男の人はいないの⁉」
「男の魔法使いが居たら絶対知れ渡っているでしょ、少し調べたけど1人もいなかったわ。」
「…僕、魔法を使えないって事?」
「ふふっ、そうね!……ごめん、ラエルには私が居るから…ね。」
僕をおちょくろうとしていたが落ち込みだしたのを見て慰めだした。
いつも僕の気分を上げてから落とす、だから嫌いなんだよな。
「姉様、当分来ないで。」
「………」
振り返るといつの間にかアシエが居た。
僕はアシエと一緒に部屋へ戻ろうとした、その時だった。
「ウェネ!何をしているのです!」
姉の後ろからとてつもない恐怖を感じて、僕は振り向きながら股間を湿らせた。
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