光と闇の狭間で(2023/12/22)

 本当はいけないことだって、わかっているの。

 良い子はもう、ベッドで夢を見ている時間だもの。


 でも、わたし。見ちゃったの。

 母さんが「もう寝る時間よ」って言いながら、

 わたしを寝室に追いやった後のことよ。


 わたしは、真っ暗闇の寝室と

 まぶしい光で満ちているリビングの狭間に立って、

 その扉をそおっと開いたの。


 扉の向こうは、明るいリビング。

 そのテーブルの上にあるのは、まちがいないわ。

 夕飯前に冷蔵庫の中に置かれていた、アレじゃないの!

 二つしかないから、おかしいと思っていたの。


「ずるい!」

 思わず叫んだわたしの声に

 リビングにいた父さんと母さんがびくっと飛び上がった。

「わたしも食べたいよ! そのプリン!」


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