鏡(2023/8/18)

 もしも、おとぎ話のように、ぼくが喋れたなら

 毎朝顔をあわせるお嬢さんに教えてあげたい。


 毎朝、毎朝ぼくの前で

「今日も寝癖が直らない」ってイラついたり、

「制服のネクタイが、かわいく結べない」って頭を抱えたり、

「また、ニキビができちゃった」って嘆いたりしてるけどね。


 ぼくは思うんだよ。


 毎朝最後には「まぁ、いっか」って

 にこっと笑うその顔が

 一番きれいに映っているんだよ、って。

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