第四話

「やっと授業終わったな!」

「そうだな。じゃあグラウンド行くか」

「あれ?奏達は?」

確かにクラス内を見渡してもいない。

「いないし、先行ったんじゃないか?」

「じゃあ行くかー。せっかく天野さんと話そうと思ったのにー」

「蓮はほんと素直だな」

「だって天野さんかわいいじゃん。」

「否定はしないが」

「圭介もそう思うことあるんだ」

そんなこと言うな、恥ずかしい

俺だってそりゃ思うわ

「あ、ちょっと待って、あの人手伝ってくる」

「お人好しさん行ってらっしゃいー。まだ時間あるしゆっくりでいいからなー」

「あの、運ぶの手伝いましょうか?」

「おおー、ありがとう。同学年?」

「はい、2年です。」

「重かったし助かったわ。職員室まで手伝ってくれん?」

「はい。」


「ありがとうな、また会ったら話そうぜ」

「そうだね。じゃ」

こっちの階段からの方が早いな

ん、なんか声が聞こえるな

「好きです。付き合ってください。」

まじか告白か。ゆっくり引き返した方がいいか?

「ごめんなさい。よくあなたのこと知らなくて」

「なんで?おれこれでもバスケ部のエースだよ?」

雲行き怪しいな、相手には悪いけど止めに入るか

て、え、、天野さん?今はそんなことはいいか

「間に入るようで悪いですが、相手も困っていますしやめた方がいいのでは?」

「誰だよ」

「黒宮です。あなたが本当にそちらの方を好きなら、怖がらせるような強い口調はやめた方がいいと思います」

「ちっ、正論マシーンかよ、くだらね、」

話し通じなそうだしずるいけどまあ、この手使うか

「あ、野田先生」

「あぁん、まじかよ、もういいや」


「天野さん、大丈夫?」

「はい、助かりました。迷惑かけてすみません。」

「謝らないでいいよ、てかありがとうの方が嬉しいかな?」

「ありがとうございます」

「どういたしまして。じゃ行こうか」

「はい。」

◆◇

「おお、2人ともやっときたな」

「すまんな、おまたせ。」

「じゃあまず順番でも決める?」

「そうだな。圭介はアンカーと、その前のどこに入れるか」

「2番目がいいかな」

「アンカーやってくれますしそのまま希望通りにしましょう」

「そうだねー、私1番目がいい!」

「私は誰かと希望が被らないなら4番目がいいです。」

「俺圭介の後なら全然いいから決定だな!」

よし決まったな。

あとはバトン練か、正直今から速くなるとかは無理だしな。

「準備運動だけして、その後バトン練習するか」


「みんな、終わったね。じゃあ位置に移動するか。」

「私のタイミングでスタートするねー」

みんな位置についたな

さすが奏だな速いわ

でも流石にスタートを全力できるととタイミングずれるか


前傾姿勢で、徐々にスピードを上げていく。

「ハイッ」

よし、バトンパスの感覚は忘れていない。

ああ、けどやっぱりスピードが乗らない、加速が、

「はいっ」

「よっしゃぁ」

あいつはや、現役運動部はやっぱバケモンだわ

てやべ、あれミスるぞ

やっぱ落としたか

でも天野さん速いなあれなら一位狙えるな

そろそろ集中、

「はいっ」

やっぱ200長いな。今はいいけど本番足もつか、、

「タイムは1分35まあまあだな」

「もっかい蓮と天野さんのバトンパス練習するか。蓮、もうちょい天野さんの手に押し付ける感じで」

「あー、わかった。」

「じゃあ、よーいスタート」

「ハイッ」

おおっ一発成功

「さっきより取りやすかったです!」

「よかった、蓮頼んだぞ」

「おう!」

「そろそろ時間だし帰ろっか」

あれ、もうこんな時間か、早いな

天野さん達は歩きか

「じゃあね」

「じゃあな」

「じゃあねー」

「じゃあまた」


色々あったがとりあえず今日のとこは無事で終わってよかったな

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