No.5

「――おー、めっちゃ懐いわー……はい、大学にいまーす。越智おちでーす。ちょっとね、あんまり大声で喋りたくなーえええみっこ!?」

「ゆづやん!何してんの?」

「ちょっと遊びに来たんよ。みっここそ何してんの」

「妹に忘れ物届けに来たの。今年から通ってんのよあいつ」

「まじで?!初耳だわ」

「いやマジでおもろいわ、あ、ねえ最近大丈夫なん?」

「え?」

「ほら、あの……」

「ああ、大丈夫だよ。気にしないでよみっこらしくないなー」

「ん?まあゆづがええならええけど。じゃあうち仕事やから、またね!連絡しろよ?」

「めっちゃするわ!……覚えてる?美津子みつこ。たまーに一緒にご飯食べたの。いやー変わんないなー……それに引き換えふゆかさんあなたみっこ妹と変わんないじゃん。ということで、今日はふゆかさんの忘れ物、バイトのエプロンを届けに来ましたー。ねーもーだっさいねぇ、あ、怒るなよ?この前の仕返しだからねー、えーと大学院の校舎はー……ここか、ここだな。うん。えー古っ。地震来たら壊れるなこれ。あ、こんちはー……、失礼しまーす……へー……広いな…………あ、すみません、風真かざま教授?の研究室ってどこですか?」

「三階まで右奥のエレベーターで上がって頂き、降りられたところから突き当たりまで歩いて頂けますと、そこにございます」

「ありがとうございます………………………………………………………エレベーター古………………………………………………………………………………………」

ドアが開きます

「すいませーん………………………」

行先ボタンを、押してください

ドアが閉まります





















































三階です。ドアが開きます






「人居な……」


































「……ここだ。…失礼します。山並やまなみふゆかさんいらっしゃいます?」

「え、あ、はい。ちょっと、待っててください」

「はーい」



――…まなみさん、お客様が………――

――…く、…すか…………――

「……ああ!」

「うおっ」

「ゆづー!まじでありがとう本当に助かった!」

「でしょうねーあなた予定詰めすぎなのよー。取りに行く余裕くらい作っとけ」

「ごめん本当に……あー助かったー……」

「そらよかった。ねえさっきみっこに会った」

「え?坂部さかべさん?何で?」

「今年から一年生の妹ちゃんが忘れ物したんだって。あなた四つ下と同じようなことしないでよー」

「不覚だわ……え嘘撮ってる………………」

「あーばれた」

「もういいやなんも言えないよ……今日ばっかりは………………」

「己を悔いよ。ね」

「あ、ゆづ教授に会う?あの前言ってた」

「え、会いたい!いるの?」

「居るよ。あでも動画止めてね。先輩怖がってたし学校はやめときなよ」

「あ、ごめんなさ――」

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