第8話 今後の方針
「これからどうしょっかなーてかワント、ここどこなの?」
「ここは魔の森だぞ。魔物しか生息してない地域だ。と言っても俺たちクラスの魔物は稀だかな。本当になにも知らないんだな、主は。しかも、何も決めてなかったのかよ。これからどうするんだよ。マジで。ついていく人間違えたなこりゃ」
そう。僕は、約1ヶ月ぶりの外に出れたのだ!異世界に来て、はじめての外は森だった。
ワントマジで有能!出口に案内してって頼んだらすぐに外に出られたよー
僕の洞窟での1ヶ月はなんだったんだって思ったけど、ワントと出会えたから結果オーライだね!
それはそうと、眷属になった今のワントと、洞窟で戦った時のワントで、大分印象違うんだけど。って言ったら、そうだろうなって当たり前のように返されたからちょっとビックリです。僕。理由を聞いてみたら、なんと
「初めて会った時の主の雰囲気がヤバイやつだったからだよ。あんな明らかに魔力を垂れ流しにして、格上オーラバンバン出てたし。初めて俺は殺されるかと思ったからな。そん時にテンパっちゃったから、変なキャラが出た。ただそれだけだぞ。今は眷属になったから、安心して素が出たって感じだな。」
僕は、今のワントの方が好きだよーって伝えたら、ありがとなってちょっと照れくさそうに言われた。何気に可愛いところあるじゃんって思ったのはここだけの話ね。
ちなみに素のキャラは、僕と今後増えていくであろう眷属にしか見せないつもりらしい。外では、洞窟の時のキャラでいくみたい。使い分けが大事なんだよ!って凄い真剣な顔で力説されたから、ノータイムで頷いたよねーもうワントの好きなようにしたらいいよって。
それはそうと、なんでワントはあの洞窟に居たの?って聞いたら、ワントはあの洞窟で生まれたんだって。
それで、生まれてすぐにこの地域の情報が頭に入ってきたみたい。
周りのゴブリンと自分が違うこともすぐに分かったから、ゴブリン達と戦いまくって、最後のゴブリンとの戦闘が終わった時に主と会ったって言われた。
だから、ワントも僕と同じで生まれて1ヶ月くらいだね。でもずるいよねー なんでかって?
それは、身長だよ!ワントは今190センチくらいある。進化して、更に伸びやがったんだぞ。より人間みたいになったし、こりゃ絶対魔物だって気付けないぞ。偽装なんてスキルも手に入れたみたいだし。しかもイケメンで超美形だよー
対して僕は、2回進化してるのに150センチくらいしかないし。前世でももう少し身長あったよ?見た目も子供みたい。これじゃあ大人と子供だし、どっちが主かわかんないじゃんね。
まぁこれは後々解決するでしょ。してくれるよね?してくれないと泣いちゃうよ僕。
一旦これは置いておくとして、冒頭にあった問題だよねー これからどうするのか?今までの目標だった洞窟から出る、進化する、配下1人発見するのは無事達成することができた。
でも、進化と配下探しの2つに関しては今後も目標にしていくからね。
最終目標である僕の理想の悪役になる為に必要なこと ① 秘密組織を作る ② 社会を裏から支配する ③ 魔王と呼ばれるようになる だからね。うーん次どうしようか? 決めた!
「ワント、人間の街を目指そう!その前にワントクラスの配下がもう1人欲しいんだけど。どう?無理そうかな?」
「人間の街を目指すのは、主の目標の為にも絶対に必要なことだからいいと思うぞ。ただ、俺たちクラスの魔物はそうそういないと思う。いくらここが魔物しか生息しない地域でもだ。でもまぁ、洞窟の中で俺たちは会ってるから広い魔の森なら可能性はあるかもな。俺は、主と一緒についていくって決めてるから、例えどんなことでも付き合うぞ。相棒なんだろ俺たち?」
「そうだね。まずは人間の街を目指そうかなー
配下に関しては、出会えたらラッキーくらいで。これからも沢山迷惑かけるだろうけど、よろしくね。」
「そんなもん、眷属になって数分で分かったぞ。主は主がしたいようにすればいいさ。」
今後の方針が決まった僕たちは、人間の街に向けて歩き出したのだった。
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