第2話 初戦闘と初魔法

真っ白だった視界から目を覚ますと、そこは洞窟だった。


まずは現状を確認するために、ラノベでは定番のこの言葉を言ってみた。


「ステータスオープン」


すると、脳内でステータス画面が表示され、そこにはこう書かれていた。


 ステータス

  「名前」なし

  「種族」レッサーヴァンパイア (始祖種)

  「称号」王の資質、吸血鬼の始祖

  「固有魔法」

   血液魔法Lv1

  「スキル」

   吸血Lv1

  従属化Lv1

  眷属化L v1


こんな感じだった。さらに詳しい情報を見てみる。


「王の資質」

王になることのできる器を持つものに送られる称号。また、この称号を持つ者の従属者や眷属の成長が早くなる。


「血液魔法」

血液を操ることのできる魔法。血がある全ての生物に有効となる。吸血鬼限定の魔法。


ステータスの確認が終わったので、周りを見渡すと、そこは洞窟だった。

いきなり洞窟からのスタートなんだと思ったけど、洞窟から脱出することを目標にしようかな。まあ、ここにいる魔物次第のところはあるけどね。ここにいる魔物に勝てないのに外に出て即死亡みたいなのは嫌じゃん。せっかく異世界に転生できたんだし、僕の理想とする悪役になるためにも頑張らないとね!


まずは、お楽しみの魔法を使ってみることにした。

魔法は、イメージが大切みたいな印象なので、血を想像してみたら、指先から血が出てきてそのまま固まった。試しに指先から放ってみたら、壁に直撃し、壁が壊れた。


血液魔法ヤバすぎでしょ!これは当たりの魔法を貰えたのかもしれん。まだもう少し練習してみようかな。戦闘に使えるレベルにはしときたいしね。


練習して、魔法にも多少慣れたので、魔物を探してみることにした。しばらく洞窟の中を歩いていると、話し声が聞こえてきたので、近づいてみる。


「ゴキャゴキャ」

「ゴカゴカゴガ」


そこにいたのは、棍棒を持った2匹のゴブリンだった。ゴブリンの見た目は、全身緑色で、ラノベで読んだことのあるゴブリンそっくりだった。


いきなり2対1だけど、不意打ちできるし、これからは最強の悪役を目指していくんだから、戦闘はたくさん経験していくほうがいいよね。

てことで、ゴブリンには悪いけど、僕の糧になってもらうことにした。いざ 戦闘開始!


まずは、練習した魔法を使ってみることにした。

練習した血を固めて放った魔法が片方のゴブリンにクリーンヒットし、そのゴブリンは死んだ。


「よし!当たった!」と自分で内心ガッツポーズをしていると、仲間がやられたことに怒り、こちらに気づいたゴブリンが、棍棒を振り上げたまま走ってきていた。


なので、その棍棒をギリギリで避けて、ゴブリンの顔面を殴った。そのまま接近して、スキルの1つである吸血を使うことにした。


顔から血が出ていたため、血液魔法を使用しながら、血を吸収してみた。血を吸収しているとゴブリンは死んだ。気になる味は


「マズッ」


びっくりするくらい不味かった。ゴブリンだからかも。ゴブリンは弱い魔物みたいだし。それこそ竜とかの血はめっちゃ美味しそう!これからは、気が向いたら吸収してみようかなー


初の戦闘を終えた感想としては、吸血鬼の体はヤバいね。魔法も肉弾戦もできるとは。前世の体と全然動きが違うんだもん。

今となっては、前世のことも忘れてきてるんだけどね。魔物になった影響かも。人間の時は、血を見るだけで嫌だったのに、血が大好きになってるし、血を吸収して興奮してることにちよっとびっくり。

まさかここまで変わるとはねー

人間から魔物になったから、そりゃそうかと自分で納得していると、何か器みたいなものがたまったことに気づいた。


これが、完全に満タンになったら進化するのかもね。これからは、洞窟を脱出するだけじゃなくて経験値も獲得していこうかな。


異世界に来ての初戦闘、初魔法は良い形で終えることができ、進化を目指すという目標も追加されるのだった。




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