第2話 説明の件
僕の前世の名前はカナタ。そして今世での名前もカナタ。僕はいま、お母さんのお腹の中に居ます。何でそんな事が分かるのかって?
ヴェーナース様が教えてくれたからですよ。で、何で母親の胎内にいる赤子にヴェーナース様が話しかけてきたのか……
『いや〜、ゴメンねカナタくん。説明すっ飛ばして転生させちゃって。テヘペロ。でも安心して! 今から愛と創造の女神の講座を開催するからねっ!! ジャジャーンッ!! 効果音合ってます?』
だそうです…… 急にどうしたのかと思ったらヴェーナース様の内心の呟きが聞こえてきた。
『フフフ、完璧よ。ここで説明をしておけば産まれてきた時にこの世界についての知識を持っている事になるわ。これならお母様にもバレない筈よ!』
なんて言ってるけど、産まれたばかりの赤子がこの世界について色々と知ってたら
『さあ! それじゃ、カナタくん! チャッチャッと説明するわよ!! 先ずは頭の中で能力確認って考えて見なさい! ババーンッ! 効果音合ってます? じゃ、考えて』
僕はヴェーナース様の言う通り能力確認って考えた。
【基礎能力】
名前∶カナタ·イーアサーク
年齢∶零
性別∶男
所属∶イーアサーク辺境伯家次男
種族∶人
職業∶−
加護∶ヴェーナースの
体力∶12(自動回復)
気力∶28(不撓不屈)
魔力∶10(自動回復)
攻力∶8(±0)
防力∶11(±0)
【技能】
言語完全理解·生活魔法(全)·便利箱·成長促進
古式武術(異世界流)【1/10】
超絶付与魔法【1/10】
所持金∶0
産まれる前なのに攻力(攻撃力)が8って優秀じゃないかな? それに前世で老師から学んでいた武術も技能としてあるんだ。(異世界流)がちょっと気になるけどね。レベルは無いんだね。有ればそれを励みに頑張れると思ったんだけど。成長したら体力、気力、魔力の数値が大きくなっていくんだろうね。それを励みに頑張ろう。
『どう? 出た? 出たわね!! ちゃんと私の加護も付いてる? やだ〜、勿論、カナタくんは私の
そこで一息つくヴェーナース様。しかしその
『ああ、そうだった、思い出した。体力、気力、魔力の横の( )は私の
本当にこの神様が創造管理する世界に転生して僕は大丈夫なんでしょうか…… 地球の神様、どうか遠くから見守っていて下さい…… 僕は心から神様に祈ったよ。
『そうね、それじゃこの世界というか星について説明するわね、その耳の穴をかっぽっじってよ〜く聞きなさい! バババーンッ! 効果音合ってます? 良し!』
僕は赤子で胎内にいますから耳掃除はまだ出来ません、ヴェーナース様。
『屁理屈は止めなさい!! ドドーンッ!! 効果音合ってます? じゃ続きを!』
という訳でヴェーナース様の説明によれば、この星は地球とほぼ同じ重力があり、月も太陽もあるそうだ。大きさは地球よりも一回り小さいんだって。地球の直径が凡そ一万二千七百キロメートルで、この星は凡そ一万キロメートルなんだって。
で、星の名前は【テリウス】。聞けば五十億年前にヴェーナース様が創造されたんだとか。
『どう? 凄いでしょ? 私のこの星を参考に地球が創られたと言っても過言では無いのよ!! ドヤーッ!! 効果音合ってます? では続きを!』
大陸が二つあって、北半球にホクシン大陸、南半球にナンセイ大陸。その間は海で距離は一番近い所で八百キロだそうで、魔導船や飛空艇で行き来もあるそうだ。
二つの大陸の間にも島国がいくつかあって、その中に日本によく似た国もあるんだって。
僕が転生したのは南半球のナンセイ大陸にある王国ディアス。南半球には他に、同じく王国ローザン、共和国ユーミカ、魔導国レイバ、商業国サマナ、などなどの国があって、全部で十八カ国らしい。
北半球のホクシン大陸は大帝国ロードが統一しているらしくて、統一前の国を州にして統治してるんだって。
その州の数が二十三。
それと僕の能力値表示にも出てるけど、お金の単位は全国共通で
硬貨が1G、10G、100G、500G、1,000G、5,000Gとそれぞれあって、紙幣として10,000G、50,000G、100,000G、500,000G、1,000,000Gがあるそうだよ。
一万円が最高額の紙幣だった日本とは少し違うけれども、感覚的には馴染みやすいから良かったよ。
そして、ヴェーナース様が怒り心頭になったのが、北半球と南半球の間で最も距離が離れてる場所に邪神が作った新しい大陸セイトー大陸。ここは魔の国と呼ばれていて、魔物や魔獣がこの大陸で産まれているらしいんだ。
で、僕の産まれるイーアサーク辺境伯家の領地は、晴れた日にこのセイトー大陸が水平線の彼方に薄っすら見える場所が領地なんだって…… 物騒な領地に転生させてくれたよね、ヴェーナース様……
『大丈夫よ〜、カナタくんは私の
僕の父親はカルヴァン·イーアサーク、僕が産まれる時で二十八才。母親はリーナ·イーアサーク、二十二才。兄上がカーロン·イーアサーク、六才。姉上がミーチェ·イーアサーク、三才なんだって。
そうそう、僕の後に産まれるカナデちゃんは僕が三才になる年に産まれるんだって。
『だから早目に鍛えておくのよ、カナタくん。カナデちゃんが無事に産まれるかどうかはあなたにかかってるんだからねっ!! バババンッ! 効果音合ってます? それじゃ最期に……』
『あと残り三ヶ月で私の世界に産まれるカナタくんに最上級の祝福を!! 私の世界でも弱い人を守る強き人に成長してねっ!! じゃあね〜……』
行ってしまったようだ。でも、カナデちゃんが無事に産まれるかどうかが三才の僕にかかってるって言うのはどういう事なんだろうね?
考えてみたけど分からないや。
それじゃ、技能の詳細を見てみようかな。と、思ったら眠くなってきたから取り敢えず寝よう。詳細は起きたら見ることにするよ。
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