第5話 のんびり森をお散歩


 SE:ドアの開閉音

 SE:木の床を踏む足音

 SE:木々のざわめき


「それじゃ、行こっか」


 SE:砂利道を歩く足音(足音指示変わるまで続く)


 (ヒロイン声、右から、近距離)

 (リラックスした様子で、少しうきうきとした感じで)

「なんだか新鮮だなぁ……」

「誰かと一緒に、この道を歩くなんて……」

「ふふ……」

「いつも通りの風景なのに……」

「キミと一緒だと、なんだか全く別の世界みたい……」


 (ヒロイン声、右から、至近距離)

「ねえ……?」

「手、繋いでも、いい……?」

「ふふ、ありがと♡」

「キミの手……柔らかくて、すべすべで」

「ちっちゃいけど、あったかくて……」

「わたし……すきだな……」

「ずっと、ぎゅってしてたくなる……ふふ♡」


 SE:足音止める

「そう、ここ」

「ここから、森に入るよ」

「ちょっと歩きにくいから、気をつけてね」


 SE:落ち葉を踏む足音(足音指示変わるまで続く)

 SE:鳥のさえずり


「この森にはね、昔はいくつか村があったみたいなんだ」

「いまは、わたししか住んでないけど……」


 SE:川のせせらぎ(音量:小)


「聞こえる? そう、川の音」

「もうすこし歩くと、川に出るんだ」

 

 SE:硬い土の地面を歩く足音(足音指示変わるまで続く)


 (ヒロイン声、左から)

「足元、滑りやすいから気をつけて」


 SE:一陣の風が吹き抜ける音

 SE:布がはためく音


「涼しい……」

「森の中は静かでも、川の近くは風が吹くんだよ」

「気持ちいいね……」


 (深呼吸するヒロイン)

「すぅ……はぁ……」


「もうちょっと川の方行ってみようか」


 SE:川のせせらぎ(音量:中)

 

 (立ち止まり、川を覗きこむヒロインと主人公)

 SE:足音止める

 SE:川のせせらぎ(音量:大)

 (ヒロイン声、左から、至近距離)

「すこし流れが強い……昨日の雨のせいだね」

「それに、ちょっと濁ってるね」

「でも明後日くらいになったら、すっごく透き通って綺麗になるから」

「また見に来ようね?」


  SE:川のせせらぎ(音量:中)

 (ヒロイン声、左から、至近距離)

「うん、そうそう。川底の石の形がはっきり見えるくらい」

「泳いでる魚もたくさんいて……」

「え? 釣り……かぁ……」

「あはは、あんまり得意じゃないなあ……」

「わたしだったら、ざぶんって飛び込んで、そのまま捕まえちゃうよ?」

「ふふ……川で泳ぐの、昔から得意なんだ〜」

「え、見てみたい……?」


 (ヒロイン声、左から、至近距離、ささやき)

 (からかうように)

「あ〜……キミ〜……?」

「ちょっといま、いやらしいこと考えてたでしょ?」

「ふふ〜ん? ほんとかな〜?」

「わたしが川で泳ぐところ、想像してなかった?」

「……してない? ふーん?」


 (ちょっと残念そうに)

「……なーんだ」


 (慌ててヒロインのご機嫌を取る主人公に、笑うヒロイン)

「あはは、そんなに必死になってお願いされたら、しかたないなぁ……」

「こんど、一緒に川で泳ごうね?」

「泳ぎ方も、魚の捕まえ方も、いろいろ、教えてあげる……♡」

 

 (川を左手に、川沿いの道を上流へ向かって歩く)

 (ヒロインは右側を歩く)

 SE:硬い土の地面を歩く足音(足音指示変わるまで続く)

 SE:川のせせらぎ(音量:中)

 

 (ヒロイン声、右から、近距離)

「この先にね、わたしの好きな場所があるんだ……」

「……ふふ、それは着いてからのお楽しみ」


 SE:川のせせらぎ(音量:小)

 SE:落ち葉を踏む足音(足音指示変わるまで続く)

 SE:鳥のさえずり

 SE:木々のざわめき


「着いたよ。見える?」

「そう、教会」

「ずいぶん前に人は来なくなっちゃったみたいだけど……」

「わたしがときどき来て、掃除したりしてるの」

「ついてきて……」


 SE:重たいドアが開く音

 SE:石の床を歩く足音


 (建物内、声が響く)

 (ヒロイン声、正面から、近距離)

 (声が響くので、小声で話すヒロイン)

「ちょっと暗いけど、大丈夫。怖くないよ」

「すぐ目が慣れるから」


 SE:石の床を歩く足音


「ここ、座って?」


 (ヒロイン、主人公の左隣に腰かける)

 (ヒロイン声、左から、至近距離)

「わかる? これ。そう、教会のベル」

「わたしが見つけた時は、そこらじゅうに転がってて……」

「錆だらけの、ホコリまみれだったんだけど……」

 (自慢げに)

「綺麗でしょ? ふふん♪」


「それにね、このベル……」

「音も、とっても綺麗なんだよ……?」


 (ヒロインがベルを鳴らす)

 SE:ベルの音(一つだけ)


「……ね?」

 

 (複数のベルを鳴らすヒロイン)

 SE:ベルの音(音浴的な、倍音が響く)


 (ヒロイン声、左から、至近距離、ささやき)

「なんだか、眠くなってきちゃう音だよね……」

「ん。いいよ……寝ても」

「膝枕してあげる」

「はい、どうぞ♡」

「ん……? どうしたの?」

「恥ずかしくないよ? ほら……」


 (主人公を膝枕するヒロイン)

 SE:布ずれの音

 (ヒロイン声、正面から、至近距離、ささやき)

 (うずうずした様子で)

「ね、ねぇ……?」

「あたま、なでなでしても、いいかな……?」


 (うれしそうに)

「ほんと? ふふ……♡」


 SE:髪を撫でる音

「なでなで……なでなで……♡」

「ふふ……やっぱり、キミの髪、すごく綺麗……」

「朝、ブラシかけた時から、もう一回触りたかったんだ〜」


 SE:髪を撫でる音、耳もと

「さわさわ……くすぐったい? ふふ♡ さわさわ……」

 

 (身じろぎする主人公、右耳を上にして、横向きに)

 SE:布ずれの音

 (ヒロイン声、右から、密着、ささやき)

 (愛おしそうに)

「なでなで……気持ちいい? なで、なで……」

「眠くなってきちゃった? うん、いいよ、眠って……♡」

「わたしが、ずっとそばにいてあげるからね……♡」




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