第6話 リモートワークのススメ
現在、シルマリア様からサンドベリで生きるために必要な知識を学んでいるところです。
半透明の女神様は、あちらの世界ではPCの中だけだったけど、こちらの世界ではふよふよとどこへでも移動できるみたいだ。部屋の中を移動すると、ふよふよとくっついてくる。
『サンドベリと呼ばれるこの世界には七つの大陸が存在します』
リビングのテーブルの上にノートを広げメモを取る。シルマリア様はふよふよと漂いながら説明する。
『七つの大陸にはそれぞれひとつずつ
ノートに記入した七番目の塔の名前をペンで丸く囲む。
『今日から小森ちゃんも守護者の仲間入りです』
「守護者?」
『そうです。塔の住人を守護者と呼んでいます。これから守護者としてバッチリ働いてもらいますからね。ガンバですよ』
「はい!」
『他の塔の守護者ともこれから長い付き合いになると思いますので、ゆっくり関係を構築するとよいでしょう』
「う、うん」
他の塔の守護者ってどんな人たちなんだろう。
『そんな不安そうな顔しなくても取って食ったりしないから大丈夫ですよ。みんな小森ちゃんと同じひきこもりの申し子です』
「!」
【ひきこもりの申し子--14歳のひきこもりたい魂を持つ少女たち。By.マーりん】
ふと疑問に思う。
「どうしてひきこもりばかり集めたの?」
『模造生命体アミュラに適合したのが最大の要因ですね。もちろん他にも理由はあります。守護者の仕事は地味ですし待機時間も長いですから、アクティブで好奇心旺盛な人には向いてないと思います』
そうか。ひきこもりを満喫したいっていうのと、異世界を満喫したいっていうのは全然違うもんね。
『話を先に進めますね。サンドベリの特徴はマナにあります。マナがあるから生活ができて魔法も使えて魔道具も動いているのです。全ての事象はマナに始まりマナに終わると考えてほぼ間違いありません』
「先生、マナってなんですか?」
『魔法の源といえる物質のことで魔力と言い換えてもかまいません。守護者の塔もマナによって維持管理されていてるのです』
「日本の電力みたいなものですか?」
『そういう認識で間違ってないと思います』
『さて、次は守護者の仕事についてお話ししましょう』
きました、お仕事。しっかり働いて、夢のひきこもりライフを満喫しなきゃ。
姿勢を正し気持ちを引き締めてシルマリア様の話に耳を傾けた。
『小森ちゃんはリモートワークで
「はい、って、んん?」
ビーッ、ビーッ。
突如、アラームが鳴り響いた。デスクトップパソコンのモニタにアラートのマークが点滅していた。
『あっ、ナイスなタイミングで
椅子に腰かけてアラームが点滅しているモニタを覗き込んだ。
このPC、マウスもキーボードもない、どうやって操作するんだろう。
『モニターの横にヘッドセットがあります、それを装着して下さい』
「了解」
机の上に置いてあったヘッドセットを頭にかぶると、大量のデータ一気にが脳内に流れ込んできた。
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