第2話
8月14日、朝から雷鳴が遠くで響いていた。空はまだ暗いまま、雷が鳴るたびに窓の外が明るく照らされる。今日の天気はあまり良くなさそうだが、何か楽しいことを見つけようと考えながら朝食をとった。
朝食を終え、ふと思い立って、近くの池まで出かけることにした。この池は小さな公園の中にあり、静かな場所だ。雨が降り始める前に散歩しようと家を出た。池に着くと、メダカが泳いでいるのが見えた。雨の影響か、水面が揺れていて、メダカたちがせわしなく動き回っているのが面白かった。
ふと視線を上げると、池のほとりに小さな毛虫がいた。触るとチクチクしそうだが、自然の中にいるとこんな小さな生き物にも目がいくものだ。池の周りを一周しながら、少しずつ雷の音が近づいてきているのを感じた。雨が降り出す前に、車に戻ることにした。
その後、ショッピングモールに行くことに決めた。車を走らせ、モールに到着すると、既に雨が本格的に降り始めていた。雷も大きくなり、駐車場に雷が落ちそうなほどの激しさだ。モールの中に入ると、外の騒音とは対照的に賑やかな雰囲気が広がっていた。
モール内では、さまざまな店が並んでいて、どこかで何か美味しいものでも食べようかと考えた。グルメコーナーに足を運び、いくつかのレストランを見て回った。迷った末に、地元の食材を使った定食屋に入ることにした。新鮮な魚を使った刺し身定食が美味しそうだったので、それを頼んだ。食べ終わると、外の雷鳴が少しずつ遠ざかっているのが分かった。
モール内を歩き回っていると、釣り具店が目に入った。昨日の霧の中で使うつもりだったルアーロッドを思い出し、店内を覗いてみた。最新のルアーや釣り道具が並んでいて、次に使うのが楽しみだ。しかし、今日は猟に出かける気分にはなれなかった。雷雨の影響で自然が荒れているだろうし、無理をせずに今日は休むことにした。
モール内をもう少し歩き回った後、ふとペットショップの水槽に目が止まった。小さなメダカがたくさん泳いでいる。池で見たメダカを思い出し、少し懐かしい気持ちになった。飼ってみるのもいいかもしれないが、今はまだ決断できず、ただ見ているだけだった。
夕方、雷が完全に去り、外は再び静けさを取り戻していた。車に戻り、家路に着く途中、今日一日が思いのほか充実していたことに気づいた。自宅に戻ると、明日の計画を立てながら静かな時間を過ごし、また新しい冒険が始まる予感を胸に、ゆっくりと眠りについた。
8月15日、早朝、地平線に朝日が昇り始める頃、俺は打ち太刀の練習を始めた。久しぶりの剣道の稽古で、心身ともに集中を高めた。日常のストレスを忘れ、剣の音だけに耳を傾ける瞬間が、何よりも心地よい。まっすぐ伸びる地平線を見つめながら、今日もいい一日が始まりそうだと感じた。
午前中、少しドライブしながら地元の市場に立ち寄ることにした。新鮮な魚が並ぶ市場で、イトヨリダイを手に取った。この魚は煮付けにしても焼いても美味しい。家に帰って、これを夕食にしようと心に決めた。
市場を後にし、ウェストサイドという名前の田舎町に向かった。昔ながらの雰囲気が残るこの場所は、俺にとって特別な思い出が詰まっている。田舎まんじゅうが名物で、子供の頃から大好きだった。店に入って、久しぶりにその甘さを味わった。懐かしい味が口の中に広がり、子供時代の思い出が蘇った。
まんじゅうを食べ終え、少し街を散策した。童貞時代の自分を思い出すような、無邪気な子供たちが元気よく走り回っている姿を見て、微笑ましい気持ちになった。何も考えず、ただ未来に夢を抱いていた頃を懐かしむ。
午後には家に戻り、イトヨリダイを使った料理に取り掛かった。新鮮な魚の香りがキッチンに広がり、出来上がりを待つ間、少しテレビを見て過ごした。ウェストサイドでの思い出や、打ち太刀の練習で感じた充実感が一日の疲れを忘れさせてくれる。
夕食の準備が整い、家族とともに食卓に着いた。イトヨリダイの煮付けは絶品で、家族みんなが美味しいと言ってくれた。こうして平凡な一日が過ぎていく中で、俺は田舎の静けさや家庭の温かさが、自分にとってかけがえのないものであることを改めて感じた。
夜になり、家で静かに過ごしながら、今日の出来事を振り返った。地平線に浮かんだ朝日、打ち太刀の音、ウェストサイドの風景、そして家族との時間。何気ない一日が、心に深く刻まれる瞬間となった。
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