第7話 しつけ
今回のことについては私にも非があるだろう。
そもそもショーケースのカギを閉めてなかったが故に起こったことだし、彼女だって知的好奇心があるのだから、それは私の管理責任だ。
私の手元には、初代『架星リブラ』のフィギアがあった。ただし、その首元は綺麗に割れていて、頭は机の方に置いてある。
月一の彼女のグッツの点検を行っていた際のことだ。
ショーケースに置いてあるフィギアを並べ直し、一息ついた私は買い物をする為に一度外出した。
私が部屋を出てしばらくした後、彼女はあろうことか虫カゴから脱出し、開いたままのショーケースへ入ったのだ。
新しい環境でついはしゃいでしまったのか、彼女はそのままフィギアを倒してしまい、それは床に強く打ち付けられ、見事に体と頭が別れてしまった、という経緯だ。
何度も言うが、私にも反省すべき点はある。ただ、私の大切な物を壊したのだから、彼女にはそれ相応の責任を取ってもらわねばならない。
♢ ♢ ♢
いつもはつい夢中になりすぎて彼女を殺してしまうが、今回はあくまでも躾けることがメインだ。なので、生きるか死ぬかのギリギリのラインを攻めていかなければいかない。
ひとまず、余興として電子レンジで彼女をチンした。
数十秒マイクロ波に晒されたお陰で彼女は体中が真っ赤になっているが、まだまだ終わらない。
「……?」
涙を流す彼女を捕まえ、今度はサラダスピナーを用意した。
ボウルの中で混乱している彼女と水を少し入れ、蓋をしたら――
「ッ――!?」
――全力で回すッ!
本来はサラダに付いている水を吹き飛ばす為に回すものだが、既に中は水が溜まっているので、彼女は激流に揉みくちゃにされているだろう。
取り出すと、彼女はびしょ濡れでか弱いながらも息を吸い込もうとしている。そこでお腹を指で押してやると、盛大に嘔吐した。とてもかわいい。
まだまだ終わらない。
お次は彼女の手足を縛り、フライパンでじっくり焼くことにした。
「――――!!」
適度にフライ返しをして、身体全体が綺麗に焼けるようにした。しかし、彼女の綺麗な髪が焦げてキッチンに嫌な臭いが漂う。
少し癪に障ったので、髪をハサミで切って、ついでに両手も切った。
しばらく弱火で焼いていると、プライパンの上でついに彼女は動かなくなった。
死んでしまったかと思ったが、皮膚がただれてくっついたらしい。関係はないので無理矢理剥がすことにした。
「ッ~~!!!!」
ある程度終わらしたので彼女を治療することにした。ただ、まだ終わらせるつもりはない。
私は市販の虫カゴではなくそれなりに値の張る厳重な虫カゴに彼女を置くことにした。これで絶対に逃げられない。
「ぁ――ぁぅ――!!」
分厚いアクリル板越しに、彼女の泣き声が聞こえてきた。やはり、重度のストレスを受けると声が出るようになるらしい。理由は分からないけれども……。
かわいい。もっとやってあげたいが、そこは我慢する。なので、彼女のおでこに向けてデコピンを一発喰らわすだけにした。
指で弾かれたボロボロの彼女は地面にぶつかって気絶してしまった。
さぁ、次はどうしようか?
バーチャル・バイオレンス ~モニターから出てきた8センチの推し~ @8xyofficial
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。バーチャル・バイオレンス ~モニターから出てきた8センチの推し~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます