第2話 身体測定

「? ――!」


 この架星リブラは、どうやら生前の記憶が無いみたいだ。いや、もしかしたらスキンシップを交えたことで気を許してくれたのかもしれない。

 手のひらでコロコロと寝転がる彼女をつつくと、仕返しするかのように指に噛みついてきた。


 そういえば、彼女の正確な身長体重を私は把握していない。

 これだけ小さいと何かと苦労するだろう。彼女の成長の為にも、ちゃんと計測してみなければ。



♢ ♢ ♢



「――!」


 なるべく計測しやすいように彼女を真っ直ぐにして割りばしに括り付けることにした。ちなみに前回同様、輪ゴムでしっかりと身体を固定している。

 

 彼女は随分と不快そうな表情を浮かべ、抜け出そうと身体をよじっている。輪ゴムの質感が気に入らないのだろうか?

 安心させるように頭を小指で撫でると大人しくなったので続行することにした。


 さて、まず身長を測ってみたが、全長は約8センチだった。あまりにも小さすぎる。

 このままではいつ踏まれてもおかしくない。急いで身長を伸ばしてやらねば。


「ッ!?」


 ひとまず拘束を解いて、彼女を両手で掴む。

 そして、ゆっくりと――。


「――! ~~~~!!??」


 声にならない叫び声が聞こえる。

 きっと成長痛だろう。頑張って。


 私はなるべく伸びやすくなるように時間をかけて胸と脚を引っ張った。

 

 さて、そろそろこのくらいでいいだろ――――あ。


「ッ!? ~~~~!!!!」


 手を緩めようと思った瞬間、彼女の上半身と下半身が裂けてしまった。引っ張り過ぎたみたいだ……。


 どうすべきか考えていると、彼女の下半身から何かが垂れているのに気付いた。更にそこから赤黒い液体が零れている。

 引っ張ってやると、ずるずると出てくる。これは彼女の腸だろうか。ずいぶんと長い。


 面白いので机の上で混乱している彼女に見せてやると、涙をポロポロと零して号泣し始めた。しかし、すぐに泣き止んだかと思えばそのまま動かなくなってしまった。


 しょうがないので彼女をビニール袋に詰めて、落ちた腸は食べることにした。

 火を通すとコリコリして美味しかった。


 翌日目覚めた彼女にも提供すると、満面の笑顔で食べてくれた。早く大きくなってね。


 さぁ、次はどうしようか。

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