バーチャル・バイオレンス ~モニターから出てきた8センチの推し~

@8xyofficial

第1話 握り心地

 ある日、推しがPCモニターから出てきた。慌てて輪ゴムで拘束した。


 これまたおかしな話だ。

 今現在、モニターにはバーチャル業界の新星。人気Vtuber『架星かけぼしリブラ』がやわらかな笑みを浮かべて歌っている。しかし、歌枠でしこたまスーパーチャットを送っていた私の手元にはまったく同じ容姿の『架星リブラ』がいる。


 さぁ、どうしようか?



♢ ♢ ♢



 ひとまず、輪ゴムを切って虫カゴに入れてみた。

 何故だろう? あまり元気を感じない。それどころか彼女は私の顔を見るなり、顔を引きつり、荒い呼吸を繰り返す。


 どこか痛むのだろうか。取り出してみよう。……おや?


 今一度握って見ると、あることに気が付いた。

 とても冷たいのだ。彼女の着ている服越しでもよく分かる。

 そう言えば以前冷え性だと言っていた気がする。握ってみると、手のひらがあっと言う間に冷たくなった。


「ッ―—!! ―—!!」


 握った手の中で彼女が何か言っている。

 かわいいのでもう少し、握力を込める。


 次第に、何かがプチプチと弾けるような感触が伝わった。これとは違うぐちゃぐちゃしたものも感じる。冷たいジェルのようだ。

 何かは分からないが非常に癖になる。


 数分間続けていると、手のひらが真っ赤に染まりボロボロになった服と彼女だったものがこびり付いていた。

 

 もったいないのでビニール袋に肉片を集めて彼女の体液は手と腕に馴染ませた。ひんやりして気持ち良い。

 翌日ビニール袋を開けると、彼女は元通りになり心地良さそうに眠っていた。


 さぁ、次はどうしようか?



♢ ♢ ♢



 この度は『バーチャル・バイオレンス』を読んでくださりありがとうございます。

 

 作品紹介でも説明しましたが、この作品はあの『検索してはいけない言葉』にもなった有名なWEB漫画『妖〇で遊ぼう』から影響を受けた私が、オマージュしたものになります。設定や具合などは手探り状態なので、温かい目で見て頂けると幸いです。


 また、本作はグロテスクな描写があります。今一度苦手だと感じた方はブラウザバックを推奨します。

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