第35話イダとイト

ザィトスは神ことダレルラルラに敗れた。しかしコード変換により身体がグズグズに溶けて死ぬ間際を、2匹の信者による封印によって助けられた。

ダレルラルラに妨害されぬよう、2匹は一度宇宙へ逃げた。


EP35 イダとイト


殺意


イダとザィトスの元に、数千の兵士達がやってくる。


イダの合図に兵士達は吶喊し、ザィトスに迫っていく。

街は一瞬で戦場と化した。攻撃と死体が飛び交い、血の雨が降った。1匹1匹が自身の命を自分で守り、作戦を遂行する。

「無駄だっっつってんだろって!!気色の悪い!」

ザィトスが大声をあげると、何人もの兵士が液体に変わる。

兵士達は肉を膨らませ、ザィトスに近づいていく。

水色の煙が漂い、波が起こる。

「わからんな。クソども。何故そんなに自分の命を軽く扱える?死ぬのを勿体ないとは思わないのか?お前達は道具にされてるんだぞ?」

ザィトスの言葉にイダは笑う。

「俺は誰かに決められるのが好きなんだ。利用されるのが。そうすれば相手も喜ぶし、俺も楽しい」

「自分がないじゃないか。お前じゃなくても良い」

「それでも良いんだよ。そうして俺は生きて来た」

ザィトスはと唖然する。

「気持ち悪いなお前……俺に殺されたほうがいいよ。俺、お前吸収できたら嬉しいし」

「それはできないな。俺はあくまで、ママの味方だ」

「………………」

ザィトスはイダの言葉を無視する。

コードが書き換わり、発展していたビル街が捻じ曲がり、道が膨らみ、はち切れる。

攻撃が入り乱れ、混沌と化す。


数分間の戦闘で、ザィトスの腹部に穴が空いた。

「は……?」

一瞬辺りが静まりかえる。

「いてえ。ん?。いてえ、痛え。数ってやっぱ強いんだな……グゥ…」

ザィトスは困惑しつつ、腹部の穴を再生させる。

「ん゛ん…!ゴロしてやらああ!クソ虫ども!」

ザィトスは力を振り絞り、兵士の死体を肉で包んで吸収する。

「う゛お゛お゛ゴロしてやるァ…!」

兵士達は攻撃を続ける。ザィトスも負けじと吸収する。


時計の針が少し進み、中継が途切れる。


「…………………」

イトはイダに電話をかける。


コール音が鳴る。

コール音が鳴る。

コール音が鳴る。

コール音が鳴る。

コール音が鳴る。

コール音が鳴る。

コール音が鳴る。

コール音が鳴る。

コール音が鳴る。

コール音が鳴る。

コール音が鳴る。

コール音が鳴る。

コール音が鳴る。

コール音が鳴る。

コール音が鳴る。

コール音が鳴る。

コール音が鳴る。

ッおかけになった電話番号は…


イトは電話を切り、テレビを眺める。

「お前だけでも戻って来てくれよイダ。俺はお前をもっと利用したい。お前をまだまだ俺のために戦わせたい。お前にもっと人を殺させたい…。俺はまだ生きたい……」

テレビの状態が戻り、イダの死体が映し出される。

「フン。」

イトはテレビを消し、部屋を出る。

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