第12話殺人鬼爆誕
殺意
ベビーカーがぐしゃぐしゃに倒され、中から赤ん坊の死体が顔を出す。
藤田はそれを見てため息を吐く。
「え、この子偉いですね。声上げずに死んで」
その一言で、赤ん坊の母親は現実を理解した。
「わぁああゔあああああああああああっっ」
藤田はビクッとする。
「……泣かないでくださいよ。赤ん坊じゃあるまいし」
藤田は口角を下げることが出来なかった。
その後背中から伸びた黄色の太い触手は、母親の頭を叩き潰した。
数週間後
EP12 殺人鬼爆誕
桑原と平井はガラス越しに面会する。
「本当に知らない!?」
桑原が聞き返すのはこれで3回目だ。
「はぃ…ホントにわかりません」
「いや……ごめん。あせってて。はぁ〜……めんどい」
『化け物の力を使った殺人鬼』
テレビはこの話題で持ちきりだった。
「平井さん、とりあえず明日か明後日居場所を突き止めてアイツと戦ってもらう。また連絡するから、準備しといて」
「はい。わかりました」
桑原は辺りを見渡す。
「………これは言っていいかわかんないんだけど、今回のは絶対に殺した方が良い。もし藤田が平井さんみたいな化け物への変身方法を知っていたら平井さんの利用価値が下がる。今の人間は疑心暗鬼だから、人を殺してる平井さんが死刑になりかねない」
「はい。わかりました」
次の日
……………。
「ゴフッヴ!」
「澪見ないで」
壱ノ瀬が地下の部屋まで侵入してきた男の前歯を足で踏み折る。
壱ノ瀬がどこかに電話をする。
「もしもし。残り一人は始末しました。足は右だけ折ってあります。痛みで気絶してるんで早めにきてください」
プツッ
「なんか…こう見ると餃子ってよりウィンナーっぽいな皮と肉で。あ、でもコリコリがないか」
3日後
「車に乗って」
「はい」
桑原と平井は車の後部座席に座る。
「……………」
「………………」
沈黙が流れる。
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