　触り心地の良いバスタオルを買いました。

　所謂かや布巾と同様の、麻布と呼ばれる類の材質で、お湯で糊を落としてから乾かして使います。

　ふわふわと柔らかく、通気性速乾性に優れ、どの季節でも心地よく使えるとの売り文句。決して偽りではありませんでした。

　涙が出るほど優しく涼しく温かく、髪や体を拭くだけでは物足りなくなり、同じ素材のブランケットを購入することにしました。

　バスタオルよりも麻布を数枚多く重ねられて作られたブランケットは、また一層柔らかく、安堵と眠気をたっぷりと含んだ空気でふっくら膨らんでおりました。

　ようやく涼しくなり、過ごしやすくなってくれば当然睡眠も楽しみになって参ります。そこで、せっかくならばもっと満足感をと欲張って用意したブランケット。

　それは私に夢のひとかけらも見せることなく眠りに引き摺り込みました。

　ブランケット症候群に今更罹患するのではないかと、ここ数日温かな恐怖に怯えております。

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