39、カラス


 朝の公園には、夜中に複数人で酒盛りをした形跡が色濃く残っている場合がある。

 例えば今のように、ビール缶、惣菜のパック、スナックの袋を大きな四羽のカラスが突く光景が、目の前に広がっていたりする。

 公園の清掃の人──いつも本当にありがとうございます──が辿り着くまでの束の間、ジャンクフードに舌鼓をうつカラスたちは、街中の同族たちより幾分かのんびりと優雅に過ごしていらように見える。


 或いは彼らは、ここで酒盛りしていた四人の人物が、夜中のうちに四羽のカラスに変えられてしまった姿なのか。


 或いは昨夜はカラスが人に化けて酒盛りをしていたか。


 そんな妄想を繰り広げている間も相変わらず四羽のカラスは優雅にぴょんぴょん跳ねながら仲良くスナックを嗜んでいる。

 どっちにしろ、彼らは非常に満足そうだ。



 

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