22、眠気
お米を食べると眠くなってしまうから。
と言ってご飯を遠慮する知人の声が脳内で連続再生される。
今のこの、眠気が白米のせいだとして、だとしたら、なんて気持ちの良い眠気だろう。
まるでちょっと運動した後のような、肌がシュワシュワする心地よい感覚。
夏の強い日差しを浴びると、そんなちょっとした疲れが生じて眠くなる。
米のせいなのか、日差しを浴びたせいなのか。
何にせよ眠たい。
このまま後ろに引っ張られるように倒れ込んで眠ってしまいたいけれど、残念ながらそういうことが憚られる場なので、意識的に体を前に持っていく。
寝たい。眠りたい。
鳥の巣のようなベッドで好きなだけ眠りこけたい。
たまごの殻のようなベッドで丸まりたい。
誰もいない街の日陰のコンクリートの地面に寝転がりたい。
電車の網棚の上で寝たい。
早く自分のベッドで寝たい。
寝たいと思っている今、たった今寝たい。
この眠気を手放したくもないけれど、今委ねるわけにもいかなくて、ああ確かドラえもんの秘密道具に、眠気を吸い取って、吸い取った分だけ溜めて放出も出来る道具があったな、アレ。なんて名前だったっけ?
私は眠ってくるので、誰か知っている人、教えてください。
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