19、タバコ
知らない人しかいない忘年会にて、外の喫煙所に逃げる口実に買ったタバコが、まだ9割残っている。
勿体無い、のでビルの一階に残された、幻の屋内喫煙室に向かってみる。
そこは地獄と表現しても誰かしらには許してもらえる程度には劣悪で、この扉を開ける者は3割程度の希望は捨てなければいけなさそうだった。
咄嗟にポケットに入れていたメモを取り出し、「ご自由にどうぞ」と一筆添えて空気清浄機の横に、残ったタバコを置き去った。
誰かが自由にするのだろうか、あのタバコを。
ふと、箱を開けると鳩のように飛び立っていくタバコの妄想が浮かぶ。
(妄想はタダでできる質の良い暇つぶしだ)
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