18、いい日


 いにひひひヒヒと笑いながらぐるぐる回る集団がいる。

 見事に年齢性別バラバラの、30人くらいの人間が笑いながらぐるぐると芝生の上を回っている。

 だはひははひはー ひいーっいっい

 多分笑っている。遠くからなので、はっきりとは見えないけれど。

 まあ気持ちは分かる。付き合ってくれる人がいるなら、いくらでも笑って回りたいもんだ。

 いつまで笑っているか見ていたかったけれど、このままぼんやり眺めていたら暑くなってきてしまう。

後ろ髪引かれる思いでその場を離れると、通りすがりのランナーが「タダだと思ってないか」と不満そうに走り去る。気の毒にも、そうでないようにも思う。

 何とも重たい文言が添えられた寄贈ベンチに腰掛け、作って来た麦茶を飲む。今日はキャベツが無性に食べたい。

 中華にしようか洋食にしようか悩んで、マルちゃん正麺の味噌の上に、バターで炒めたキャベツをこんもり乗せていただこう、と決める。


 キャベツと、ついでにコーヒー豆を買って帰る途中、ニコニコしながら食パンを抱える子供とすれ違う。

 ソーセージと炒めたキャベツにケチャップをつけて、トーストに挟んで食べるのが好きだったことを思い出す。

 口かそれになってしまったので、予定を変更してソーセージを買いにスーパーに寄る。何食べようか悩んでいる時間のなんて楽しいこと。

 

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