3、妖怪
せっかくだから妖怪を作ろう。
妖怪といったらちょっと迷惑で得体の知れないものだ。せっかくついでにまだ明確な名称のない事柄がよい。
ところで『他人の家』というものに些か抵抗のある人、いるでしょうか? いるでしょう。自分とは違う生活の気配が苦手な人は、きっと潔癖でなくとも存在するでしょう。(これに関しては私が知らないだけでもうすでに明確な名称がありそうだ)
その延長の感覚と言おうか、私は自分のものでない寝具、つまりベットないし布団に一抹の恐怖を覚える。これは他人の家にとどまらず、宿泊施設や病院のベッドにも当てはまる。ここからの説明に自信が持てないのだが、なにもずっと苦手で、自分のもの以外の寝具で眠れないというわけではないのだ。恐怖を覚えるのは、シーツをめくって足を差し入れるその瞬間。ぞぞぞぞぞぞおっとつま先から鳥肌が伝染する。そして得体の知れない何かに体を包まれている感覚に、どうにも落ち着かず身を縮こまらせる。枕や、布団からほんの僅かに匂う、知っているような知らない匂いや肌触りが、大げさに言えば恐怖心を起すのだ。
とはいえ、そんな感覚はものの数分で霧散して、気づけばかーかー寝てしまうので恐怖心というのもおこがましいのだけど。
というわけでこれは妖怪の仕業だろうとして。
いい感じの名前が思い浮かばないので、思いついた人、よければ教えてください。
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