番外編 大規模クラウン"ノア"入団試験 四
音の発生源に近づいて来た。草むらから目だけ出し確認する。えぐられた木々の中心に人がいた。
金髪碧眼、圧倒的主人公顔に思わず見惚れてしまった。そういやコイツ見た事あるぞ、確かシャトルランで最後まで残っていた奴だ。あの時はあまり顔を見ていなかったが、今見ると何故顔に目がいかなかったのかが分からない。
?「誰かいるのか!?」
ヤベ、端正な顔に見惚れてた。だが、少し油断しただけでこうもバレるものなのか!?
仕方がない、覗いてたと思われたくないし、大人しく出よう。
?「盗賊か?」
やばい、あらぬ誤解を植え付けてる。そして、なんだこの威圧感…目の前にいるだけで理解させられるっ、強者と弱者がどちらなのかをっっ!!
俺「違います!」
?「ではなんだ?」
どうする?どう説明する?正直にノアの入団試験を受けに来た者と言ってもいいが、証拠がない。えぇい、相手が覚えている事に賭けるしかない!
俺「ノア入団試験を受けに来ました!」
?「証拠は」
俺「証拠はありませんが、体力テストで最後のほうまで残っていました!」
?「…少し近づけ、手は挙げたままだ!」
頼む覚えていてくれ!
?「確かに見覚えがあるな…」
しばし顔や身体を観察されたが、
?「うん、君を信じよう」
良かった、信じてもらえたようだ。
?「まだ名前を言っていなかったな、僕の名前はレイン。何しにここへ?」
俺「自分はリュウトと言います。いや〜、ちょっとバトルラビットを探しにきたんですよね…」
レイン「バトルラビット?それなら西の草原に居ると思うが」
真反対じゃねぇか。どうすんだ?これ
レイン「…まぁ出会ったのも神の導きかしれないし、一つ手合わせしないか?」
悪くない。寧ろいい提案だ。
俺「いいですね!ぜひ!」
レイン「怪我したら危ないから、木の棒でするか…君は双剣使いか?」
俺「はい!」
打ち合ったら折れるのではないか?そんな疑問をよそに彼は位置についた。線があるからそこに立てということなんだろう。
レイン「この石が落ちたら開始だ」
ぶれぬ体幹、さっきからずっと俺の剣が届かない距離を保っている。行動、姿勢、目つき全てで分かる。
コイツは強い
やるなら本気だ。実戦のつもりでいかせてもらう。
レインが投げる、石が地に落ちる。その瞬間だ。
レイン「チェックメイトかな」
ミリ止めだ。俺の首筋に木の棒がある。
俺「へっ?」
俺の声が宙に響いた。
この日…俺は…
天才を見た。
後書き
入団試験コソコソ話
過去に入団試験にて不正を行い。不正入団を行った人がいました。それが発覚し、試験には必ず幹部級が観覧するようになりました。※ちなみにその不正入団者は肉塊になり、余りにも弱かったのでそれで発覚したらしいです。
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