番外編 大規模クラウン"ノア"入団試験 三

俺のナンバーは0007。つまり、七番目に俺は試験を受ける。この試験は終わった人から帰れるから、早く終わらせて明日の準備をしよう。


教官?「次」


おっと、もう俺の番になったのか。


教官?「最初に剣撃を次に打撃を彼に打ち込みなさい」


俺「はい!」


改めて打ち込む相手を見る。すっごぉい…ムキムキだ、ガチムチだ。えっ?俺あの人に打ち込むの?筋肉で弾かれそうなんだけど?


俺「お願いしぃゃす!」


某漫画サイトの主人公なら、向こうの壁に吹っ飛ばすんだろう…しかし




俺(スキル発動!パワー増強!衝撃波!)


俺「どりゃぁぁぁあ!」


ゴンという鈍い音がした。




俺は無双系の主人公じゃない、だからって一歩も動かなかったら…へこむだろ…


教官?「次!打撃!」


へこむ隙も与えないな。とりあえずここで多少の挽回をしなければ、俺は実は打撃の方が得意だ。打撃というとパンチなどを思い浮かべるかもしれないが、俺の場合はキックだ。


キックならまだやりようがある。


俺「行きます!」




俺(スキル発動!足撃!パワー増強!衝撃波!駆ける者!)


この世界はスキルを沢山使えばいい訳では無い。イメージとしては、最初に発動する3つ位は掛け算で、残りは足し算になる。


 だから、同時に使えば使う程に効力は落ちるため、攻走守全てにおいてスキルは2〜4つを使うのが基本的だ。このスキルの組み合わせは俺の最高効率であり、最高火力だ。これで無理なら仕方がない。




ギィぃん




鉄の感触が足を伝い、脳に響く。仮名称筋肉さんは、2歩後ろに後退した。




普段より、精神を削られた。


筋肉「最後のは中々痺れたよ」


手を差し伸べられる。恐らく握手だろう。


俺「ありがとうございます!」


教官「次!」




俺「…帰るか」


受験生専用の部屋がある。そこで少し着替えてから、ギルドでクエストを受けよう。明日に向けて最終調整だ。


〜ギルドクエスト看板〜


おっ、あったあった。




推奨ランクC+


バトルラビット 5匹討伐




バトルラビットは、好戦的で素早い魔獣だ。速さだけじゃ、地上の魔獣の中ではトップクラスだ。だが直線上に攻撃してくるのである程度戦ったら普通に倒せる。たしか〜…この辺じゃ西の森にいるらしい…だったかな?とりあいず行こう。 




城壁を出て徒歩30分に森が広がっている。とりあえず奥に進むか〜




〜2時間後〜


おかしい…待てど暮らせどバトルラビットに会うどころか痕跡すら見つからない…もしかして来る場所を間違えたか?結構奥までやってきたというのに…仕方がない戻るか。その時だ、ドンという轟音がした。咄嗟に草むらに身を隠す。敵意は感じない、それどころか気配を感じなかった。強い魔獣ほどの他の個体との余計な接触を避ける為に、己の存在をアピールする傾向にある。


 こんな事は初めてだ。ギルドに報告する為にも気配を消して音の発生源を見に行くか?"逃げ"だけなら俺は一流だ。死ぬというヘマはしない。そう結論付け音の発生源を見に行く。




予感がする




もしかしたら今日




とんでもない物を見るかもしれない


後書き

入団試験裏話


ダンジョンの中にいる生物を魔物といい、地上にいる生物を魔獣といいます。また、魔獣と魔物では強さの次元が1段階違く。魔獣のランクB-が、魔物のランクのBみたいな感じです。

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