人には記憶に紐付いた感覚というのがあると思う。それはなんとなくだったり、あるいは明確にだったりするけれど、ときにある概念とも強烈に結びついてしまうものがある。この主人公にとってのそれは、きゅうりだった。どうしてそうなったのかはこの話を読んでほしい。夏のあの気温と湿度とともに感じられるだろうから。